自分の爪をよく観察したときに、何かトラブルに気付くことはないだろうか。爪に白い斑点がある、剥がれている、割れているなどの症状は、実は何らかの病気のサインとなっている可能性がある。

本記事では、美容皮膚科医のやながわ厚子医師の解説のもと、爪の構造や、爪が白いときに疑われる病気などについて紹介していく。

  • 爪が白いときに疑われる病気や症状を皮膚科医が解説します

    爪が白いときに疑われる病気や症状を皮膚科医が解説します

爪の構造とは

まずは爪の構造をきちんと理解しよう。

普段、私たちが爪切りで切っている硬い部分を「爪甲(そうこう)」と呼ぶが、これは皮膚の一部なのだ。皮膚の表面の角質が厚くなったものが爪甲で、たんぱく質の一種である「ケラチン」でできている。

爪半月は健康状態に関係する?

爪甲は「爪母(そうぼ)」と呼ばれる部分でつくられており、この爪母の付け根の部分にある白い(乳白色)部分が「爪半月(そうはんげつ)」となる。爪半月は完全に角質化されていないため、色が乳白色になっていると考えられている。

「爪半月はある人もない人もいますが、爪半月が見えるか見えないかは甘皮の位置で決まります」とやながわ医師は話す。「爪半月の大きさがその人の健康面に関係している」という話を見聞きした人もいるかもしれないが、医学的根拠はなく、基本的に関連性はないとのことだ。

爪が白いときに疑われる病気とは

爪半月の大小は健康面に影響はないものの、爪半月ではなく爪そのものが白い場合はその裏に病気が潜んでいる可能性があるので要注意だ。以下に爪が白いときに疑われる病気をまとめた。

爪が濁る、分厚くなる「爪白癬」

爪白癬(そうはくせん)は俗にいう水虫のことを指す。カビの一種・白癬菌が足の皮膚から爪の中に侵入することで、爪が濁って見えたり、爪自体が分厚くなってきたりするのが特徴。靴の中が蒸れる夏場に発症するイメージがあるかもしれないが、これからの季節は女性はブーツを履く機会が増えるだろうから、指先を念入りにケアするようにしたい。完治するまでに時間がかかり、再発率が高い点も厄介と言えよう。

爪に白い斑点が出る「爪甲白斑」

爪甲白斑(そうこうはくはん)も爪全体、あるいは一部が線状、点状に白くなる疾患として知られている。爪の外傷が原因の場合もあるが、線状の白斑が時間の経過とともに爪先に移動するようならば、全身疾患の可能性がある。

爪が剥がれる「爪甲剥離症」

爪甲が先の方で浮き上がり、白く見えるようになる状態は、爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)と呼ばれる。かぶれやカビの一種であるカンジダ感染が原因とされており、日本皮膚科学会によると、圧倒的に女性に多いとのこと。

爪が反り返る「スプーン爪」

スプーンのように爪が反り返ってしまうスプーン爪は、鉄欠乏性貧血が原因として挙げられる。爪は血液の健康状態に影響されやすく、赤血球やヘモグロビンの不足によって爪が白く見えることがある。

「そのほかでは全身状態に関するものとして、線状の白い部分が時間が経っても移動せずに残る場合は『全身のむくみ』『低アルブミン血症』『肝硬変』『腎機能障害』『栄養不良』などの可能性が考えられます」

病気が原因の白い爪を見分けるポイント

一般的な白い爪の中に潜む「病気が原因の白い爪」を見極めるにはどうしたらよいのだろうか。その基準は「白い爪+αの症状があると要注意」と覚えておくとよい。

「爪が白くなる状態に他の皮膚症状を伴う場合や爪が剥がれそうになっている場合、まずは皮膚科に相談してください。爪の症状のほかに、全身倦怠感や身体の症状を伴うようならば、内科を受診するようにしましょう。また、病気ではなく、指先の冷えによって爪が白くなるケースもあります。レイノー症状と言って冷えで血流が悪くなり皮膚が白っぽく変化するためです。この場合は、しっかりと冷え対策を行いましょう。温めても爪が白いままであれば、一度病院で診てもらうことをお勧めします」

爪が白くなるのを防ぐには

前述したような症状がある場合は皮膚科を受診して指示を仰ぐことが大切だが、では日ごろから爪が白くなるのを防ぐにはどうしたらよいだろうか。ポイントは以下の通りだ。

  • 栄養バランスのとれた食事で、爪を丈夫に育てる
  • 保湿クリームや爪のコーティング液などでこまめに保湿する
  • 爪切りはお風呂上りなど爪がやわらかいタイミングに行う

割れたり剥がれたりした爪は元に戻らないので、爪を丈夫にすることが重要だ。そのために栄養バランスやこまめな保湿、爪切り時に強い力が加わりにくい方法などを心がけよう。

爪をこまめにチェックしよう

爪の色は爪甲の透明度などに左右され、淡い光沢のあるピンク色で透明感とつやがあるのが正常な爪とされている。爪半月の大小は健康面に関係ないが、爪半月以外の白い部分は何らかの疾患が原因となっている可能性がある。

手は毎日眺める機会があるパーツだけに、毎日こまめに自身の爪をチェックし、場合によっては医療機関で受診しよう。