反響は国内にとどまらず、韓国、中国、台湾をはじめとするアジアの13の国と地域でも番組が配信されている。単発時代よりアジア諸国から大きな反響とオファーがあり、ここまで拡大したのだという。

芦田Pは「世界にウケると思って作ってなかった」というが、テレ朝の国際部署の担当者によると、日本の女性たちに対して興味があること、かわいい女性がどんな努力をしているのかを知るすべがなかったこと、男性と話す姿のリアルさが勉強になること…と要因を推測。それに加え、シンプルに田中と弘中アナのかわいさがウケていると分析しているそうだ。

興味深いのは、「あざとい」という意味の言葉が日本語にしか存在しないにもかかわらず、従来はネガティブだったこの言葉の価値基準を見直すという視点で作られた番組が、海外でも受け入れられていること。

ちなみに、各地域での番組タイトルを直訳すると、台湾は『恋愛策略、それが何か?』、中国は『ちょこっと思惑、それが何か?』、韓国は『キツネ(=小悪魔)っぽくて何が悪いの?』。英語圏の国では「wily=ずる賢い」という言葉を「あざとい」に置き換えているという。

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■前のめりに制作側としても参加する田中みな実

芦田Pと言えば、田中みな実が『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)の密着中に『あざとくて何が悪いの?』の放送後、番組に対して意見の電話を入れた相手だ。あれは密着カメラを意識した行動ではなく、普段から番組に対して気づいたことを、実際に電話やLINEで、意見や提案をしてくるのだという。

「『こうしたらもっと面白いんじゃないか』『こういう企画はどうか』と思いついたら連絡をくれるんです。『プロフェッショナル』では俺へのダメ出しでしたけど(笑)、ポジティブな提案もしてくれます。あそこだけ切り取ると、“田中みな実が演出に口出しして、スタッフがその言いなりになってる”と見えちゃうかもしれないですけど、『絶対こうじゃなきゃ嫌だ』という人ではなく、ディスカッションができる方なので、すごく前向きな1人のディレクター・プロデューサーとして参加してもらってる意識が強いと思いますね。もともと、田中さんありきで企画書を書いて、その思いや意図もキャスティングのときに伝えたので、それが彼女にとってとてもモチベーションになっていると思うんです。だから、ここまで前のめりに制作側としても参加してくれている番組って、うちだけだと思います」

ちなみに、11月12日放送のドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ)で、ゲスト出演した田中が「あざとくて、何が悪いのよ!!」と叫ぶシーンがあったが、「(事前には)全く聞いてなかったです(笑)。でも、局を超えてああやって番組の名前を出してくれるのはありがたいですね」と感謝していた。