「企画力」はビジネスパーソンにとって重要な能力です。既存のサービスによる売り上げが頭打ちになったり、従来のサービス内容ではクライアントからの満足が得られにくくなったりした際、新たな企画を立てて戦略を練り直していく必要があります。そのような際に求められるのが企画力です。

本記事では営業担当者やマーケター、編集者など、多くのビジネスパーソンに求められる企画力を向上させる方法を紹介します。

  • 壁面の資料を見ている人

    企画力を向上させて仕事に活かそう

企画力とは

企画力とは広義に「課題や不満を見つけ解決する方法とそのプロセスを導き出す力」と言えます。

「『こういうふうなサービスがあればいいのに』という漠然としたアイディアの『芽』を『どうすれば実現化させられるだろうか』と試行錯誤したうえで、一つの現実的かつ説得力ある案としてまとめる力」というような意味合いを持つ言葉だと覚えておきましょう。

企画力の言い換え

この企画力という言葉は「企画力がある」といったような表現で用いられるケースが大半です。「企画力がある」というフレーズの言い換え表現としては以下のようなものがあります。

  • 発想力がある
  • 機知に富んでいる
  • ウィットに富む
  • アイディアマンである

企画力と提案力の違い

企画力と混同されてしまいがちな言葉に「提案力」があります。この2つは似て非なるものです。

【企画力】

上述のように企画力とは一般的に、新たなアイディアをひらめき、それを実現可能なレベルまで具体的に落とし込み、説得力ある案としてまとめる力です。

【提案力】

提案力とは「提案する企画内容を聞き手側に正確に理解してもらう力」といった具合に定義できます。優れた企画ができたとしても、その内容を聞き手が理解できなければ意味がありません。そして、高い提案力には他者に伝えるテクニックが必要です。

「新サービスをスタートさせるべく、上司に了解を得るためのプレゼンテーション」といったシチュエーションでは、優れたアイディアによる「企画力」とその企画内容を見やすく、わかりやすくまとめて発表する「提案力」のいずれも求められると言えるでしょう。

企画力がある人の特徴

それでは、具体的に「企画力がある人」とはどのような人を指して言うのでしょうか。具体的な特徴をいくつかまとめてみました。

常にアンテナを張って情報収集している

企画力のある人は、ひらめきのきっかけを求め、常にアンテナを張っています。アンテナを張っていれば知識も増えますし、世間の流行もしっかりと押さえられます。

そして情報収集ツールも幅広いです。新聞やテレビ、web、ニュースアプリ、電車のチラシ……など、あらゆるものから情報を得ています。webやアプリなどから収集できる情報は、個人の興味・嗜好によって特定のジャンルなどに偏る可能性があります。一方で、新聞やテレビは「今、知っておいた方がよい情報」を網羅的に紹介してくれるため、満遍なく知識を得ることができます。

幅広い人脈を持っている

面白いアイディアがひらめく人は、人脈を築くのが上手です。コミュニティ作りを通じてスキルを磨き、知識を広げ、協力してくれるくれるパートナーを見つけています。

ただし、「人脈を広げる」というのは必ずしもたくさんの名刺を配ればいい、というわけではありません。「自分の仕事へのビジョンに共感し、公私問わずに互いに刺激しあえる仲間をつくること」が重要なのです。

その際、さまざまな業界の人とつながりを持てると、なおよいでしょう。「自分にとっての常識は、相手にとって非常識」という言葉があるように、異業種との交流は、固定概念にしばられていた自分の企画・発想の枠を外してくれる可能性があります。

ひらめいたアイディアのメモをとる

企画力に長けた人は、アイディアづくりの参考になる情報や、ふと頭に浮かんだ考えをメモする習慣があります。

メモする際のポイントとしては「自分の言葉でメモをし、自分の所感も書き加えておく」です。参考になるサイトや記事を見つけたら、概要を理解したうえで自分の言葉で、その内容を簡潔に書き留めておくようにしましょう。自ら書くという行為によって記憶の定着化を促せます。

企画力を向上させる方法

ここからは、企画力を向上させる具体的な方法をご紹介します。企画力を発揮して今の業務に活用していきましょう。

インプット・アウトプットを大量に行う

意識的にインプット・アウトプットの機会を増やしましょう。

インプットのためには、読書や人とのふれあいから今まで知らなかった情報を得るのがよいでしょう。自分の知らない世界には多くの刺激があり、その情報が新たな企画のヒントになります。時には、いつもとは違う分野の本を読んだり、いつもは会わないような人と積極的に会ったりすることで、知見を広げることができます。

また、インプットした情報は活用しないことには身につきません。そのため、知識を得たらメモにまとめたり誰かに伝えたり、実際に企画を考えてみたりしてアウトプットする習慣をつけましょう。普段からアウトプットを心掛けると、何気ない出来事を企画に応用する力がついてきます。

情報をアレンジする

こでまでに得た情報を時代にマッチさせたり未来を見据えてアレンジしたりすることで、個性的な企画を生み出すことができます。過去に作成された企画や情報を確認することも新たな企画を生み出すヒントになるでしょう。

  • 仕事をするデスクの上

    企画力を向上させましょう

企画力をつけるための視点の変え方

ここからは、企画力をつけるための視点の変え方をご紹介します。業界の常識や社内の先入観を捨てて違う角度から考えることは、企画をするために欠かせない要素です。

置き換えてみる

物事の順番や要素を別分野のものに置き換えてみることで、新たな企画が生まれることがあります。これまでの方法を分解し、順番を入れ替えたり、他分野の要素と置き換えたりすることで、思いもよらない発見があるでしょう。

組み合わせてみる

商品やサービスの要素だけでなく仕事のやり方を組み合わせてみると、魅力ある企画のヒントになるでしょう。例えば、携帯電話にカメラ機能をつけたように、企画アイデアの多くは2つの要素を組み合わせたものがたくさんあります。

代用してみる

今の要素や方法を違うもので代用することで、新たな価値を生み出す可能性が高まるでしょう。既存の商品やサービスを他の方や場所へ代用するという考え方も、新しい企画のヒントになることがあります。

  • 手帳に何かの企画をまとめている人

    視点を変えて物事を見てみましょう


企画力とは課題や不満を見つけ解決策とそのプロセスを導く力のことです。予測困難な現代であっても、企画力を向上させていけば新たな価値を生み出すことも可能でしょう。また、ささいな日常の中にたくさんのヒントを見つけられるようになる可能性もあります。

ご紹介した方法と視点の変え方を少しずつ習慣化していき、企画力を向上させていきましょう。