フジテレビが全国の高校生を対象に脚本を募集した第7回「ドラマ甲子園」の大賞作品を、受賞者自身が監督となってドラマ化した『言の葉』(FODで配信中、CS・フジテレビTWO 31日20:00~)。W主演を務める女優の蒔田彩珠と桜田ひよりが演じるのは、無意識に人を傷付ける言葉を言ってしまう女子高生・伊藤香里(蒔田)と、言葉を発せない謎の少女・桜木咲(桜田)の心温まる友情物語だ。

実際にも親友である2人だが、プロデューサーはその関係をキャスティングしてから知ったそう。そんな奇跡的な起用に大騒ぎして喜んだという2人に、その心境や、同年代の脚本・監督作品を演じた心境などを聞いてみた――。

  • 『言の葉』にW主演する桜田ひより(左)と蒔田彩珠 撮影:蔦野裕

    『言の葉』にW主演する桜田ひより(左)と蒔田彩珠 撮影:蔦野裕

■クラスメイトになって思い切って声をかけた

――この作品では、高校生の友人関係や、素直な思いを伝えることの難しさが描かれています。お2人はどんなきっかけで友達になったのでしょうか?

蒔田:高校2年生のときにクラスメイトになって、ひよりちゃんが話しかけてくれたんです。

桜田:普段はあまり自分から話しかけたりしないんですけど、「今話しかけた方がいいかな」と思い切って話しかけました。もともとお互いに小さい頃からお仕事をしていたので、私はオーディションなどで彩珠ちゃんに会っていたんです。隣に座って少しだけ話しをしたことを覚えていたんですけど、彩珠ちゃんは全然覚えてませんでした(笑)

蒔田:申し訳ない(笑)。会話をしたことは覚えてなかったんですが、ひよりちゃんを見て「うわ、色白いかわいい子がいる!」と思ったのは覚えています。

桜田:本当にあの時、勇気を出して話しかけてよかったです(笑)

■共演でさらに友情深まる

――そんな友達同士がW主演にキャスティングされるとは、驚きましたよね。

蒔田:台本を読んだときに、まだ咲役が誰か知らなかったので、「これひよりちゃんが演じたら絶対にかわいいだろうな」と思っていたんです。実際に現場でひよりちゃんを見て「あ! そのまんまだ」と思いましたし、クライマックスでは、咲とひよりちゃんが重なって演じていて本当につらい気持ちになるときもありました。

桜田:「いつか共演できたらいいね」と2人で話をしていたので、こんなに早く共演できるなんてびっくりしました。撮影中は、私も香里に言われるセリフが心に響きすぎて、帰った後もずっと心がざわざわしていました。それくらい役と本人がリンクしている部分がありました。香里に突き放されるようなセリフがあって、彩珠ちゃんは絶対に言わないって分かっているのに、本当に言われた気分になって。家に帰ってもズーンって落ち込んでました(笑)

――撮影現場では、どのように過ごされていたのですか?

蒔田:プライベートのひよりちゃんしか知らなかったので、カメラの前で演技をしているのを見るのは新鮮でした。改めて「女優さんなんだ」って思いました(笑)

桜田:私もそう思いました。プライベートの彩珠ちゃんの姿しか見たことがなかったので、自分の前で演技していると、照れた気持ちになってしまって。でも、彩珠ちゃんがお仕事をしているところを見て「自分も頑張ろう!」と思いました。

――共演されたことで、さらに友情が深まったのでしょうか?

蒔田:本当にそう思います。共演したことで一緒にいることが当たり前の存在になりつつあります。学校にいるとき以外も週に1回は必ず会いますし。だからこそ、今回の作品を通して、ちゃんと「ありがとう」と伝えないといけないと思いました。

桜田:いつも一緒にいて、作品の中で「会えない」という気持ちになったら、本当に心にぽっかり穴が空いてしまうくらい大切な存在です。共演して、よりその気持ちが強くなりました。

蒔田:ありがとう!

桜田:どういたしまして(笑)