JR九州エージェンシーは30日、福岡市地下鉄空港線に乗り入れる筑肥線の車両305系で稼働試験を行っていた広告用サイネージ機器(通信式)について、11月1日から正式に稼働させ、「トレインチャンネル福岡」として有料広告の配信を開始すると発表した。
これまで、JR九州の列車内モニターでは、事前設定された停車駅情報・路線図などを放映してきたが、通信式の「トレインチャンネル福岡」は放映データの逐次更新が可能となるため、広告の他に最新のニュースや天気予報などを放映できる。
今回導入した機器は、JR東日本グループの総合車両製作所(J-TREC)とジェイアール東日本企画(jeki)が開発した「後付け式車内ビジョンシステム(TrainViewer+K / トレインビューワープラスK)」という製品。既存の車両に後付けで設置することを目的に開発され、JR東日本新潟支社管内で先行導入されているものに一部改良を加え、JR九州エンジニアリングが取付け工事を担当した。
後付け設置を比較的容易にできる点が最大のメリットとされ、民生部品の活用により、従来の新車組み込み式製品と比べて大幅なコスト低減を図ることができる。また、通信やディスプレイなど一部技術が進歩しても、各部品(民生部品)の個別交換で対応できるため、投資効果も高く、昨今のサスティナブル志向に沿った広告機器となっている。
「トレインチャンネル福岡」は305系(6両編成)の全6編成に設置され、放映区間は福岡空港~姪浜~西唐津間(福岡市地下鉄空港線、JR筑肥線・唐津線)。17インチ(フルHD)画面を各扉上に1面ずつ設置し、計288面(1両につき8面)導入される。11月1日から広告・ニュース・天気予報などを1ロール最大20分放映し、広告料金は1週間掲出の場合、1ロール中1本(15秒)掲出で7万5,000円からとなる。