コロナ禍で内定取り消しが増加し、就職氷河期の再来が懸念されている。バブル崩壊後の1993年~2005年頃にも就職難が社会的な問題となったが、この世代、いわゆる「就職氷河期世代」はその時どんな困難を経験したのだろうか。今回はマイナビニュース会員のうち就職氷河期世代の120名に、当時の苦労話を教えてもらった。

Q. 就活時、またそれ以降の苦労話を教えてください

なかなか内定がもらえない

・「なかなか内定をもらえず大変でした。それなのにせっかく入った会社を2カ月で辞めてしまい、今考えるとなんて馬鹿なことをしたんだと思います」(43歳男性/茨城県/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「とにかく面接で落ちまくった。数十社受けてようやく内定を2社からもらった」(40歳男性/埼玉県/その他/事務・企画・経営関連)
・「数十社から不採用をもらいました。気力がなくなるし、交通費がかさんでつらかったです」(46歳女性/埼玉県/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「30社落ちました」(52歳女性/東京都/その他/事務・企画・経営関連)

求人が少なすぎる

・「地元の求人がほとんどなく困り果てました」(42歳男性/青森県/官公庁/公共サービス関連)
・「求人数が少なく、思うような職もなかった」(52歳男性/島根県/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「就職先があまりに少なく、就職するのが大変だった」(49歳男性/東京都/流通・チェーンストア/IT関連技術職)

給料が安い、なかなか上がらない

・「給料が安い」(49歳男性/奈良県/その他/専門サービス関連)
・「給料が上がらない」(43歳男性/石川県/ホテル・旅館/販売・サービス関連)
・「何社も受けた。初任給が安かった」(44歳女性/東京都/公益・特殊・独立行政法人/事務・企画・経営関連)

正社員になれなかった

・「正社員になれない」(40歳女性/鹿児島県/公益・特殊・独立行政法人/事務・企画・経営関連)
・「正規にはなれなかった」(47歳男性/大阪府/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「10社くらい面接を受けて全滅した時の虚無感が凄まじかった。結局その後、正社員は諦め、今も派遣労働」(46歳男性/兵庫県/物流・倉庫/販売・サービス関連)

その他

・「希望していたところが締め切りで受けられなかった」(47歳男性/宮城県/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「常に競争が激しい、学校でも会社でも落ちこぼれる恐怖との闘い」(45歳男性/東京都/通信販売・ネット販売/事務・企画・経営関連)
・「就職活動がうまくいかないことに対する周りの理解がなかったこと」(43歳男性/京都府/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「会社が倒産して就活に苦労した」(41歳男性/愛知県/不動産/営業関連)

総評

アンケートでは、「とにかく内定がもらえない」「10社以上面接を受けても内点をもらえたのは数社だけ」といった当時の苦しい思い出が多数寄せられた。「なぜここまで落とされるのか」と思い、心折れたという人も。ことごとく不採用になるため、気力がなくなり、とにかくメンタル的にキツかったとのこと。「いいことなしの暗い過去」「思い出したくない」といった声も散見された。

就職氷河期はとにかく求人が少なく、毎年求人を出していた企業でも、説明会を数回開催した後「今年は求人を取りやめる」と言われてしまったとか。そんな中、なんとか就職した企業が「イメージと違った」「ブラック企業だった」などという失敗もあったようだ。

この世代は「ロスジェネ世代(失われた世代)」とも呼ばれるが、「無かった世代、消えた世代なんて失礼極まりない。我々世代は国の失政のせいでこのような状況になっているのに」と訴える声も。「非正規が多く、正規職になっても地方はそもそも賃金が安い」「能力があっても就職超氷河期の人間は認めてくれない。本当に地獄」とも。就職氷河期の苦しみ、悲惨さが伝わってくるコメントだった。厳しい就職難により、不安定な働き方を余儀なくされた氷河期世代。その影響に多くの人は今なお苦しんでいるようだ。

調査時期: 2020年10月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 309名のうち「あなたは就職氷河期世代ですか?」に「はい」と回答した120名
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません