女優の真矢ミキが、あす17日にスタートする東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『さくらの親子丼』(毎週土曜23:40~ ※初回は23:50~)の放送を前に、作品への思いなどを語った。

17年10月にシリーズ第1弾、18年12月に第2弾が放送され、今回の第3弾も前作に続き民間の子どもシェルターを舞台に、真矢演じる九十九さくらが温かい料理を通じて傷ついた子どもたちと心を通わせていく同ドラマ。真矢にとって連続ドラマ主演作がシリーズ化するのは今作が初めてだ。

  • 『さくらの親子丼』に主演する真矢ミキ=東海テレビ提供

――撮影も快調に進み、「さくら」として生きる忙しい日々が続いています。

さくらを演じるほど自分と一体化してくる気がします。私自身もどこまでがさくらで、どこまでが自分か分からなくなってきたと思うことが多いですし、この役は、撮影現場でさくらを演じているだけでは、視聴者の皆さんに何かが見えてしまうものがあると思います。『さくらの親子丼』は、どこか私を正してくれますし、定期的に“人生のバイブル”のように台本がやってくる(笑)。さくらのように本職以外で、何かの役に立てないかと思うことも多くなりました。

さくらに関してはどんな映り方をしていても、どう見られてもいいと思っています。逆に言うと自分を知ることができる時間のような気もしています。それはいいことばかりではなく、「年を重ねた顔つきになってきた、私って今こんな感じなんだ…」と思うことも(笑)。カメラの中のさくらは生身の自分のような感じがします。

――シリーズ化にあたり、どのようなところが視聴者の方に共感、支持されていると感じられますか?

時代と合致していることだと思います。平成から令和、コロナ禍でさらに虐待や育児放棄などのニュースを拝見するたびに、またさくらに出会えることの必然性を感じています。シリーズを通してさくらも私もお互いに成長させていただいていますし、それ色濃く見える作品です。

――前作と違うと感じたところは?

今まで以上に描かれている世界が広がっていて。さくらは法廷にも行き、社会が直面している児童虐待の実状をより深く知り、今までのように正義感だけでは走れない。今回のさくらはとても迷っているように感じます。時代も変わり、子どもたちとの普通の会話がより難しくなってきてもしかしたらさくらは今の時代とは逆行したウザさがあるのかも知れません。でも“それでも言わせて、守らせて”と愛のあるしつこさみたいなものを、痛い思いをしながら演じています。

――真矢さんにとって、さくらはどういう存在ですか?

愛着がありますし、さくらのように見過ごせないところも似ていると思います。さくらに出会ったことにより、直線的な正義や優しさだけが全てではなく、いろんな優しさがあっていいことも学んでいます。正義感も出し方によっては、その人の人生を大きく変える出来事も起きてしまう。“善人”とは、とてもいい言葉だと思って生きてきましたが、単純にとらえてはいけない、とてもセンシティブな言葉だと思いました。

――子どもたちに伝えたいことは何ですか?

シェルターのようにかくまってくれるところ、自分たちを守ってくれる場所があるということを情報として目から耳から入れていただきたいです。視聴者の中にはお子様もいらして、前作の時には「さくらさんでしょ?」と声をかけていただいたり、若い方からお手紙をいただいたりということがありました。このドラマは大人の方が見ていると思っていたので驚きましたが、お子様にお声がけしていただくような機会を持つと、何かしらの影響はあるのかと感じます。能動的になりたいと思います。

――視聴者の方にメッセージをお願いいたします。

厳しい状況の中ですが、コロナ禍で虐待のニュースを私たちは日常的に目にし、耳にし、さらに増加している気がしていて、この物語は決して遠い話ではないと思っています。さくらは説教がましくはなりたくないですが、できる範囲のことでいいので、皆さんが思う目線で子どもたちを応援し、私たち大人も子どもたちと変わらずぶつかりながら生きているというところを見ていただきたいと思います。