本記事では、ケセラセラという言葉の意味や語源、類義語を解説していきます。あわせてケセラセラを使用できるシーンと使い方についても紹介します。
ケセラセラの意味とは
「ケセラセラ」は「なるようになる」と和訳されることが多い言葉です。
「物ごとは勝手にいいように進む」「気を揉んでいても仕方ない」「成り行きに任せてしまうのがいい」などの意味合いに解釈されます。使うシチュエーションによって意味合いが異なる言葉ではありますが、一言で「なるようになる」と表されることが多いです。
ケセラセラの語源は何語? 映画『知りすぎていた男』内の歌詞が有名
「ケセラセラ」はスペイン語で「Lo que será, será」と表しますが、もともとスペイン語にはなかった言い回しであり、文法に則ってない言い回しとなります。
英語では「Whatever will be, will be」となることから、英語圏で使われたフレーズと考えられている言い回しです。つまり、スペイン語の語彙を用いてつくられた言葉ではあるものの、つくられたのは英語圏という変わった言葉となります。
ケセラセラという言葉が一般的に広まったのは、1956年のアメリカ映画『知りすぎていた男(原題 : The Man Who Knew Too Much)』の主題歌が「ケセラセラ」というタイトルの曲であり、歌詞の中でも印象的に用いられていることにあります。楽曲や映画自体がアカデミー賞を受賞したこともあり、広く知られるようになりました。
ケセラセラの類語・言い換え表現
ケセラセラには似たような意味を持つ言葉として、以下のような言葉が挙げられます。
- 明日は明日の風が吹く
- なんくるないさ
- 運を天に任せる
- Let it go
- C'est la vie
- ケンチャナヨ
それぞれの意味について紹介します。
1. 明日は明日の風が吹く
「明日は明日の風が吹く」とは、「明日はまた状況が変わるから、くよくよしなくてもいいよ」という意味の言葉です。日本の人気俳優であった石原裕次郎さん主演の映画やその主題歌のタイトルに採用されたことから、広く使われるようになりました。
日本由来の言い回しなので日本人になじみやすく、ケセラセラより相手を選ばずに使える言い回しでしょう。
2. なんくるないさ
沖縄の方言である「なんくるないさ」も「ケセラセラ」の類義語のひとつです。「ケセラセラ」のように「なんとかなるよ」という意味で使われがちですが、本来の意味は少し異なります。
本来は「くじけずに頑張っていけば、きっと頑張りが報われるよ」という意味であり、強めの励ましの意味が込められている言葉。落ち込んでいる相手にそれでも頑張って欲しいシーンで使うのがいいでしょう。
3. 運を天に任せる
「運を天に任せる」とは、うまくいくかどうかは天の意志や成り行きに任せることを意味する言葉です。精一杯努力した人に対して励ましの言葉として用いられています。
また、古くから日本では用いられており一般に浸透している言い回しです。13世紀頃の平家時代にも「運天道に任せて」などの言い回しがあるなど、日本人にとってなじみ深い言葉といえます。
4. Let it go
「Let it go」とは、「何もしないでおく、そのままにしておく」などの意味を持つ英語の言い回しです。世界中で大ヒットした映画『アナと雪の女王』の主題歌タイトルになったことで、日本でも広く知られています。
落ち込んでいる人に対して「あなたはそのままでいいのよ」という意味で声かけするときに用いられる言葉です。
5. C'est la vie
「C'est la vie(セラヴィ)」とは、フランス語で「それが人生さ」という意味の言い回しです。いい意味でも悪い意味でも使われる機会があります。
幸運が降ってきたときは、「これぞ人生だ」と嬉しい気持ちを込められる言い回しです。反対に悪いことが身に降り掛かった場合は、「とんだ人生だ」という意味を込めて使われます。
例えば就職の選考に失敗したとき、「C'est la vie」とつぶやき、くよくよと考えることを止めて諦め、次に進むことが、ケセラセラと似ている部分です。
6. ケンチャナヨ
「ケンチャナヨ」とは朝鮮語のフレーズ。「大丈夫」を意味することから「ケセラセラ」の類義語として使われる言葉です。
実際の発音は「クェンチャナヨ」に近いですが、日本では草なぎ剛さんやIZ*ONE'(アイズワン)などの歌で「ケンチャナヨ」という言葉が使われていることから、「ケンチャナヨ」で知られています。
ケセラセラはこんな時に使いたい! シーンと使い方
ケセラセラが「なるようになる」を意味することがわかっても、どんなときに使えばいいのかがイメージしにくい人は多いでしょう。ケセラセラは以下のようなシーンで使えます。
- 頑張りすぎている時
- 不安や心配ごとが多い時
- 落ち込むことが続く時
- 不安をあおるテレビやインターネットの情報に疲れた時
以下、順番に紹介します。
1. 頑張りすぎている時
頑張っているときほど、肩に力が入りすぎて、つい悪い方へ考えがちになってしまう人は多いのではないでしょうか。周りの人が頑張りすぎていたら、「ケセラセラだよ」などと声をかけて、肩の力を抜くよう声をかけてあげましょう。張り詰めていた気持ちがほぐされ、心に余裕を持てるでしょう。
2. 不安や心配ごとが多い時
就職や転職のため採用選考を受けて結果を待っているときは、不安に思っても仕方がないことがわかっていたとしても、ついそのことについて考え、結果を心配してしまいます。そのような、なるようにしかならない心配ごとを抱えているなら、「ケセラセラ」という言葉を思い出して、不安を和らげましょう。
いつもつい気にし過ぎてしまう人は「ケセラセラな生き方」を目指してみるといいかもしれません。
3. 落ち込むことが続く時
思うように仕事が前に進まないなど、思い通りにならないことが続いてしまうと、どうしても気持ちが落ち込んでしまいます。十分頑張っているなら、気持ちを追い詰めてもあまりいいことがありません。そんなときは「ケセラセラ」という言葉を思い出して、「なるようになるか」と気分転換しましょう。
周りの人には「ケセラセラの精神でいこう」と伝えてあげるといいでしょう。
4. 不安をあおるテレビやインターネットの情報に疲れた時
社会情勢の影響もあり、テレビやインターネットでは不安をあおるような言葉ばかりが流れる日もよくあるもの。いつもそんな内容ばかり目にしていると、いつのまにか心が不安に苛まれてしまう人も多いでしょう。
テレビやインターネットの影響で気持ちが塞ぎがちになってしまったら、「ケセラセラ」を思い出して、気持ちを切り替えましょう。
ケセラセラの精神で毎日をのりきりましょう
「ケセラセラ」は「Lo que será, será」と、スペイン語の語彙を使った言葉。しかし、スペイン語圏では使われない言い回しであり、英語圏でつくられた造語です。有名な映画の主題歌で使われたことで、広く知られるようになりました。
「なるようになるさ」と楽観的な意味がある前向きな言葉なので、落ち込んでいる人を励ましたいときや、心配ごとが多いときなどに使うといい言葉です。また、「運を天に任せる」や「Let it go」など似た意味で使える言い回しも多いので、相手やシーンに合わせながら使い分けるといいでしょう。
「ケセラセラ」は意味を理解すると、前向きで元気をもらえる気持ちのいい言葉なので、何となく落ち込んでいるときなどに思い出してみてください。