ワークマンに人気が集まり始めたのは、ここ1~2年でしょうか。日経トレンディによる「2019年ヒット予測ランキング」1位にワークマンプラスが入ったのも記憶に新しいです。

実は筆者、今までワークマンの商品を使ったことがありません。もちろん話題となっているのは知っていましたが、「もともと作業服だし。低価格が魅力でしょ、それだけならねぇ」とオジサンにありがちな先入観から距離を置いていたのです。

しかし、「ワークマン女子」という言葉がSNSで話題になるなど、その存在感は増すばかり。これはもう知らないとは言えない! ということで、先ごろ開催された「2020秋冬モデル展示会」へ行ってきました。

  • ワークマンの「2020秋冬モデル展示会」

    ワークマンの「2020秋冬モデル展示会」

ワークマンなのにモデルがウォーキング

「ワークマン 過酷ファッションショー 第2弾」と名付けられたこの展示会、渋谷ヒカリエにランウェイを設営し、新作を着たモデルがさっそうと登場するなど一見ワークマンらしからぬ演出です。

しかし、そこはワークマン、特設したボルダリングの壁(!)をモデルが登ったり、人工雪を降らせたりするなど、「働く現場での過酷な環境」をイメージさせる仕掛けがあり、きちんと機能性をアピールしていました。

  • ファッションショーにボルダリングの組み合わせ

    ファッションショーにボルダリングの組み合わせ

  • ステージに人口雪を降らせる演出

    ステージに人口雪を降らせる演出

発熱するインナーダウン

そんな新商品たちですが、まず紹介したいのは、モデルがステージでも着用し、昨年、試験販売された「ヒーターベスト」(税込3,900円)。その名の通り、電熱ヒーター機能を持ち、高温(約50度)、中温(約45度)、低温(約40度)※の3段階で温度調節できます。
※温度はプラスマイナス5度の差があります

  • 右胸の温度調節ボタンで調整でき、ピンク(高温)、ブルー(中温)、グリーン(低温)となる※写真はピンク

    右胸の温度調節ボタンで調整でき、ピンク(高温)、ブルー(中温)、グリーン(低温)となる※写真はピンク

商品部の崔文哲さんによると、首元と腰にある電熱シートを温めた血流が体全体に行きわたるのだそう。電熱シートはポケットに収納する外付けバッテリーで動かしますが、このバッテリー、夏は風を送る機能があるファン付きウェアに利用できます。

ユーザーの財布事情を大事にしている、この辺りの細かい配慮がいいですね。

  • 外付けバッテリーでヒート機能を動作させる

    外付けバッテリーでヒート機能を動作させる

しかも今年は「ヒーターインナーベスト」(税込3,900円)が投入され、より街中や仕事中でも使えそうな感じですよ!

  • 新商品の「ヒーターインナーベスト」(税込3,900円)

    新商品の「ヒーターインナーベスト」(税込3,900円)

しかも、こいつは裏地にアルミプリントを採用し、より保温性を高めています。デザインもシンプルなので、通勤利用もありではないでしょうか。もちろん、オフィスやテレワークなどジャケットの下に着ても活躍しそうで、さまざまなシーンで使えそうなのも魅力的。

  • 裏地のアルミプリントが保温性を高める

    裏地のアルミプリントが保温性を高める

またジョガーパンツも用意されていて、「ヒーターミドルパンツ」(税込3,900円)は太もも部分に電熱シート、裏地はフリース素材、ひざが3Dカットで動きやすいという点が特長でした。

  • 「ヒーターミドルパンツ」(税込3,900円)

    「ヒーターミドルパンツ」(税込3,900円)

穴を自己修復するダウン

さらに目を引いたのは、「(ウォッシャブルフュージョンダウン)REPAIR-TECH(リペアテック) ダウンフーディー」(税込3,900円)という新商品。これが凄いのは、針を突き刺した穴を自己修復するという、魔法のような機能! 筆者も会場で実際に修復する様子を見ると、「ウソでしょ!?」と思わず声が出ました。

  • 針を刺し込んで

    針を刺し込んで

  • 穴を指でさすると穴が消えた!

    穴を指でさすると穴が消えた!

崔さんは「ダウンの縫い目から羽毛が抜けたり、熱が逃げたりすることを防ぐためこの素材を採用しています」と説明してくれました。なので、針の太さや差し込む強さにより修復しないこともあるし、破れや裂けなども戻らないので、そこは注意が必要です。

そして、フュージョンダウンという素材を使っているので自宅で洗うことが可能。これは現場で働く人が毎日着ても快適に過ごせるように、考えて開発したと言います。

  • 「(ウォッシャブルフュージョンダウン)REPAIR-TECH(リペアテック) ダウンフーディー」(税込3,900円)

    「(ウォッシャブルフュージョンダウン)REPAIR-TECH(リペアテック) ダウンフーディー」(税込3,900円)

ワークマンも定番となる?

本製品のカラーは写真のダークイエロー、カーディナルレッド、ブラックの3色ですが、どれも落ち着いた色合いで、デザインもシンプルでした。

ブランドロゴや、発色が目立つものは最初カッコイイ! と思っても、着ていると飽きてしまい、そのうちクローゼットの片隅に追いやられることありませんか? その点、このダウンはシンプルだけに合わせる服を選ばず、使い勝手が良さそうです。

  • カーディナルレッド、ダークイエロー、ブラックの3カラー

    カーディナルレッド、ダークイエロー、ブラックの3カラー

筆者も若い頃はトレンドを見てファッションを考えていましたが、オジサンになった今、定番プロダクトや程度の良い古着で満足することが多いです。もちろん、最先端を常に求めることが悪いとは思いませんが、懐具合もありますし(笑)。

なお、本商品はファッションアナリストの山田耕史さんとの共同企画で、「ワーク、アウトドア、ストリートでも着用できるシンプルなデザイン」とカタログでも紹介されています。

仕事やプライベートでともに活躍しそうな今回の商品、今まで「ワークマンだから」と距離を置いていた人こそ、注目してほしいと思いました。

メリノウールの靴下に大興奮

最後に、スノーボード大好きな筆者が注目したのがメリノウール素材の靴下やタイツたち。アウトドアブランドで買うと数千円が当たり前ですが、「MERINO WOOL(メリノウール) ミドルソックス」(税込580円)、「MERINO WOOL(メリノウール)フルパイルソックス」(税込780円)など、マジですか価格。

  • 「MERINO WOOL(メリノウール)フルパイルソックス」(税込780円)

    「MERINO WOOL(メリノウール)フルパイルソックス」(税込780円)

メリノウールといえば、「柔らかさ&肌触り」「除湿性」「保温性」「防臭性」が特徴で、特にアウトドア愛好家には大人気。筆者も幾つか持っていますが、高い……。それが、この値段ですからね。

じゃウールの含有率はどうなの? と思って調べてみましたが、アウトドアブランドの靴下は大体60%前後のようでした。

崔さんに本商品の数値を聞いたところ、「ミドルソックスはメリノウール60%以上、フルパイルソックスは50%以上使用しています。編み物という製品の特性上、個体差があるので、このような表記となります」と回答してくれました。

  • 商品タグにも「メリノウールの含有率」を表記

    商品タグにも「メリノウールの含有率」を表記

つまり、メリノウールの量にそこまで大きな差は無いという印象。が、値段はだいぶ違いますね。これは隠れたヒット商品になるかも!?