キリンビールはキリン伝統のうまさの本格ビール「キリンラガービール」を10年ぶりにリニューアル。缶商品は7月中旬製造品から、びん・樽商品も9月上旬製造品から順次切り替えを進めている。

1カ月を切った酒税改正によってビールへの関心が高まり、ビールカテゴリーの伸長が期待されているなか、リニューアルした「キリンラガービール」のおいしさを伝える「『キリンラガービール』うまさの進化対談会」が、9月18日にオンラインにて開催された。

  • 「キリンラガービール」が10年ぶりにリニューアル

磨きをかけた本格ビールのうまさ

今回のイベントではキリンビールの“味の番人”であるマスターブリュワーの田山智広さんと、20代にして「キリンラガービール」の開発に携わった山口景平さんが、それぞれの視点・経験から「キリンラガービール」への思い、その歴史やこだわりを語った。

  • (左より)マスターブリュワー・田山智広さん、マーケティング部商品開発研究所中味開発グループ・山口景平さん

日本でビールが広く普及していなかった1888年から、東洋の想像上の麒麟を幸福・吉兆の象徴としてラベルに起用。1988年に「キリンビール」から商品名を変え、130年以上飲み継がれてきた「キリンラガービール」。その歴史の中で醸造技術や品質を磨き上げ、多くの人から深く愛されるこのブランドは、同社の品質本位のものづくりの原点にもなっている。

それだけに、リニューアルに向けて試作を重ねた山口さんが感じたプレッシャーもひとしおだったようだ。

「悩んだ先にたどり着いたのはラガーの特長のひとつである苦味の質です。コクや飲みごたえ、苦味の強さは弱めることなく、爽やかで心地良い苦味を追求するため、さまざまなホップの使用方法を検討しました。その結果、お客様に自信を持ってお届けできるラガーに仕上がったと思っています」

ドイツ産ヘルスブルッカーホップを使用することで実現してきた「キリンラガービール」らしい爽やかな香りと飲みごたえある苦味などの特長はそのまま残し、ホップの量を増量。苦味・渋味の強いホップと穏やかな苦味をもたらすホップの比率を調整して、理想の味を実現したという。

実際に新旧「キリンラガービール」を飲み比べてみると、ホップの効いた心地よい苦味、締まりのある後味のバランスがとれた飲み飽きない本格ビールのうまさが感じられた。酸味や雑味が突出する印象を抑えることで苦味の質を高められ、味わいに磨きがかかっている印象だ。

また発表会で田山さんは、「新・キリンラガービール」にあうコンビニのおつまみを紹介。「サバ缶(水煮)」「ハーブ仕立てのサラダチキン」「かぼちゃサラダ」「ビーフストロガノフ」をおすすめとのこと。

  • サバといただいてみました

どちらかというと日本酒と合わせるイメージも強いサバだが、脂ののったサバと「キリンラガービール」の特徴である華やかに香り立つホップやうまみが見事にマッチし、ビールも箸も進むペアリングとなっていた。

発酵方法の歴史が古く、芳醇で濃厚な味わいを楽しめるエールビールの人気も近年高いが、のどごしが良くすっきり爽快な味わいでゴクゴク飲めるラガーは、やはりビール好きの王道と言えるだろう。

伝統を引き継ぎ、おいしく進化した「新・キリンラガービール」は、本格感・品質感を強化した正統感ある佇まいのパッケージで発売。販売予定数は約730万ケース(※大びん換算、92,000KL)を見込んでいる。

なおキリンビールは、好調の一番搾りブランドにも注力しながら、「本格感」「品質」によって長年飲み継がれてきた定番ブランド「キリンラガービール」のリニューアルを行うことで、ビールカテゴリーの活性化を目指すという。