テレワークの浸透が後押しし、ビジネスカジュアルが幅広く浸透しているようです。この結果、スーツ量販店がオフィスカジュアルを意識した商品を出したり、また、アウトドアブランドがビジネスカジュアルでも使えそうなライフスタイルウェアを提案したりしています。

そんな中、真打ち? ともいえるスポーツメーカーがこのジャンルに登場しました。それがアルペン。筆者はウインタースポーツになじみ深いので、その名前を聞くとスキーのイメージが強いですね。

去年リニューアルした同社ブランド「TIGORA」が、「アルペン『TIGORA』2020FWコレクション展示会」を先ごろ開催したので見てきました。

  • アルペン「TIGORA」2020FWコレクション展示会

高機能で低価格と実現

今回のリニューアルコンセプトは、「AFFORDABLE SPORTS LIFESTYLE WEAR(アフォーダブルスポーツライフスタイルウェア)」で、高機能、シンプルなデザイン、買いやすい価格帯を目指したそうです。

そして展開されるのが、「SMART(スマート)」「ULTIMATE(アルティメイト)」、「TIGORA/BEAMS DESIGN(ティゴラ/ビームスデザイン)」の 3シリーズ。

それぞれの特徴を簡単に説明すると、SMARTは機能性と普段着利用の両立、ULTIMATEはスポーツやアウトドアシーンで活躍する機能性、TIGORA/BEAMS DESIGNその名の通り、BEAMS DESIGNがプロデュースしたスタイリッシュ性と機能性が特徴です。

Tシャツ2枚程度の重さの高機能ステンカラーコート

筆者が気になった商品だと、まずULTIMATEシリーズの「DELITE ステンカラーコート」(税別9,990円)でしょうね。同社の執行役員 商品本部長 中村裕哉氏によると、「通常、高保温性を考えると衣類は重くなりますが、今回、暖かい空気を溜め込む中空糸を使用したDELITE(デライト)素材により、圧倒的な薄さと軽さを実現しています」とのこと。

同素材を使ったステンカラーコートは540g、Tシャツ2枚分程度だそう。これは確かに軽いですね。また、保温性の高さから、気温が10度前後なら半袖でも問題ないとも言います。

  • Tシャツ2枚分程度の「DELITE ステンカラーコート」(税別9,990円)※左のマネキンが着用

秋冬はどうしても着込むことになり、その重さで疲れることがよくありませんか? また、室内に出入りする際の取り回し時に、重いコートが邪魔になることが多々あります。そうした悩みを解消できそうで良いなと思いました。またパフォーマンスに「合わない」値段の安さも魅力ですね。

テレワーク時のパンツ問題を解消?

続いてSMARTシリーズの「SMART PANTS(スマートパンツ)」から、ストレッチパンツ4種類を紹介します。去年のリニューアル時から「テーパード」「ストレート」「ワイドテーパード」を展開している商品ですが、今回はメンズに「クライミング仕様」、レディースに「スキニー」が追加。SOLOTEXという伸縮素材を使っていて、着心地の良さがウリだそう。

  • SMARTシリーズの、SOLOTEXを使った「ストレッチパンツ」

在宅でのテレワークだと、特に男性は清潔感のあるシャツを着ておけば問題なし、と仕事仲間のスタイリストさんが助言してくれています。なので、夏は白Tシャツ、冬はオックスフォード生地の白シャツを着ればよいと考えている筆者、じゃあボトムは? となると悩みます。

スウェットは論外だし、とはいえデニムも長時間だと疲れる年齢……。ということで、ストレッチ素材のパンツが中心になっています。

他ブランドからもさまざまなストレッチパンツは出ていますが、同社のものはシルエットが複数あること、4,990円(税別)という値段の安さから、欲しい物リストの上位にエントリーしましたね。ちなみに中村氏は、ジョギング程度なら十分に使えるほど伸縮性があると言います。

BEAMSらしいデザインのコラボ商品も展開

それ以外だと、TIGORA/BEAMS DESIGNはBEAMSらしいスタイリッシュなデザインで、例えば「撥水防風機能ダウンジャケット」(税別1万4,990円)は色使いがアウトドアから街中まで幅広く活用できそうな仕上がりでした。

  • 「撥水防風機能ダウンジャケット」(税別1万4,990円)

  • ポイントで使われるオレンジがBEAMSらしい

今回の新商品は、9月18日にららぽーと立川立飛にオープンする直営店「TIGORA by SPORTS DEPO」、スポーツデポ、アルペンで販売されます。

また、同社は10月初旬に「『新生活様式』における新しいショッピングの楽しみ方」の考えからバーチャルストアをオープン予定。コロナウイルス対策として、人混みを避けたいという利用者の不便さを解消し、リアル店舗と同じ体験ができる空間を提供したいといいます。

会場にいた代表取締役社長 水野敦之氏は「世間ではアパレル不況と呼ばれていますが、それは従来型のアパレルの話で、スポーツウェア市場は成長しています。これは、ライフスタイルが多様化し、スポーツやアウトドアが日常生活の一部となっていること、日本の気候が変化していることから、より快適なスポーツウェアが求められていることが背景と考えています」と話してくれました。

  • アルペン 代表取締役社長 水野敦之氏

1ユーザーとしては、スポーツウェアの高機能性を持つデイリーユースできる商品が増えるのは嬉しいし、それが低価格というのはありがたいですね。アルペンの取り組みに今後も注目です。