『M-1グランプリ2018』で優勝し、抜群のトーク力も生かしてバラエティ番組で大活躍のお笑いコンビ・霜降り明星の粗品(27)とせいや(28)。まだ霜降り明星が世にでる前に、才能にいち早く惚れ込み、“裏方”として仕掛けてきた放送作家・白武ときお氏(29)の存在がある。

放送作家の白武ときお氏

2017年9月に静岡朝日テレビのインターネットテレビ局「SunSetTV」で立ち上げた『霜降り明星のパパユパユパユ』は、昨年4月に同局で『霜降り明星のあてみなげ』として地上波レギュラー化。その後、YouTubeチャンネルを提案し、同年7月に始動した「しもふりチューブ」は、まもなく登録者数100万人という人気チャンネルに。また、6月末にスタートしたTBS『霜降りミキXIT』にも携わっている。

初めて霜降り明星を動画で見たときに、「めちゃくちゃ面白い」と才能を感じたという白武氏。2017年6月に初対面を果たし、同年9月に早くも『霜降り明星のパパユパユパユ』を立ち上げた。

「ただ楽しくてやっている芸人さんもいいと思いますが、霜降り明星はやるからには結果を出す、絶対売れてやるという志があり、かっこいいなと思いました。霜降り明星の面白さ、この才能をより多くの人に届けたい、一緒にやったら面白いことになると思って声をかけました」

ネタだけではなくフリートークも面白く、ラジオやテレビでその才能を存分に発揮している2人。白武氏は「2人のキャラクターが対照的。粗品さんは、ニコニコ動画が好きだったり、ゲームを配信していたり、いまどきっぽさを持ち合わせている。一方、せいやさんはアグネス・チャンのファンクラブに入っていたり、昭和歌謡が大好き。ものまねが得意ですが、僕の世代で武田鉄矢さんのものまねを一生懸命やる人はいない。そのギャップが面白い」とそれぞれの魅力を伝え、「対照的なキャラクターが魅力的で、さらに、それを面白く伝えられる能力が高い。引き出しも多くてアウトプットも上手、そんなすごい人たちはいない」と絶賛する。

霜降り明星のせいや(左)と粗品

また、「性格もいい」と人柄も称賛。「芸能界で長く生き残るためにはコミュニケーション能力も必要で、いくら天才でも人間として破綻していたら続かない。今は特に、どの面を切り取ってもちゃんとしてないと叩かれたり、スポンサーにクレームが入る。“人を傷つけない笑い”といった言葉で縛られるのもかわいそうですが、人間性も重要視されていると思います」と述べた。

毎日更新しているYouTubeチャンネル「しもふりチューブ」でも、霜降り明星の面白さを日々実感。「撮影は1週間に1回くらい、2~3時間で8本撮っています。編集で面白くしないといけないというわけではなく、2人が話している時点で面白さの基準を満たしていて、さらにそれを見やすくしたり、面白く味付けするという作業なので、ほかのYouTuberさんのほうが100倍大変だと思います。スライム風呂を用意するといった労力をかけず、会議室でしゃべっているだけで成立するので」と話した。

YouTubeを展開する中で新たな発見もあるという。「毎日投稿していると、リアクションを見て、こういうネタはウケない、こういうネタは意外と再生数が伸びるんだなとわかり、日々トライアンドエラーしています。一方で、霜降り明星が今考えていることや、得意なこともわかり、そこから企画を思いつくこともあります。いろんな芸人さんがYouTubeをやっていますが、芸人さんの脳みそをのぞけるので楽しいです」