2人の個性が最大限に生かされた企画も「しもふりチューブ」で誕生した。白武氏は「麒麟の川島(明)さんからアイデアをもらって始めた『せいやの人間競馬』は最近のヒット作。せいやさんが粗品さんがかけた競馬を再現し、それを見て粗品さんが結果を知るというもので、ギャンブル狂いの粗品さんと、ものまねが得意なせいやさんの良さが出ている」と説明。「せいやさんは、映画のシーンなども細部まで覚えて再現できる。特殊能力だと思います。自身のエピソードをしゃべるときも、映像として取り出してしゃべるそうです」と加えた。

また、YouTubeにおいては2人の熱量を大切に。「YouTubeは演者のテンションが乗っているとそれがダイレクトに伝わります。熱量があるほうが面白く見えるし、クラスの男子がバカやってるなという映像の方が面白く見えるので、いろんなアイデアを提示しながら、どれが楽しくできそうか、撮影の前に話して決めます」と明かした。

印象に残っているエピソードを尋ねると、1日で30本撮影した龍宮城ホテル三日月のロケの話に。「特番時期でスケジュールがなかなかとれないということで、道中で30本撮影したのですが、普通はそんなことできない。撮れ高を作るモンスターだなと思いました。旅の記録なので車中で何にも起こってないシーンもありますが、彼らはトークの掛け合いが面白いので、オンの状態であればずっと撮れ高を作り続けられる」と、改めて2人のすごさを感じたという。

“お笑い第7世代”として注目を集める霜降り明星。このフレーズは、ラジオでのせいやの発言がきっかけで誕生したが、白武氏はすぐにこのフレーズに食いつき、『霜降り明星のパパユパユパユ』で各世代の定義を明確に示したという。その後、地上波のバラエティでも使われ広まっていったが、「6.5世代の芸人がプロレス的に『谷間の世代のように見えるじゃないか』と怒ったり、おじさんなのに第7世代と言い張っている人もいて、面白い感じになっていると思います」と、盛り上がりを喜んでいる。

“3人目の霜降り明星”として、白武氏が目指す未来とは。「もうすぐ達成できると思いますが、『しもふりチューブ』の登録者数100万人突破、そして150万人、200万人と増やしていきながら、テレビの世界でも彼らが一番面白く見える番組を担当できたらいいなと思っています」と力を込めた。

■白武ときお
1990年12月17日生まれ、京都府出身。放送作家。担当番組は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)、『霜降りミキXIT』(TBS)、『霜降り明星のあてみなげ』(静岡朝日テレビ)、『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』(TBS ラジオ)、『かが屋の鶴の間』(RCC ラジオ)。YouTube では「しもふりチューブ」「みんなのかが屋」「ジュニア小籔フットのYouTube」など、芸人チャンネルに多数参加。今年7月に著書『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』を刊行した。