東急グループと阪急阪神ホールディングスは、SDGs(持続可能な開発目標)を共通テーマに掲げたラッピング列車「SDGsトレイン 2020」の協働運行を実施する。運行初日の9月8日、東急電鉄「SDGsトレイン『美しい時代へ号』」の車両撮影会が行われた。

  • 東急東横線のラッピング列車「SDGsトレイン『美しい時代へ号』」を公開(写真:マイナビニュース)

    東急東横線のラッピング列車「SDGsトレイン『美しい時代へ号』」を公開。他に田園都市線と世田谷線でもラッピング列車が運行される

阪急阪神ホールディングスは、グループの社会貢献活動「阪急阪神 未来のゆめ・まちプロジェクト」の10周年を機に、昨年5月からラッピング列車「SDGsトレイン『未来のゆめ・まち号』」を運行している。今年から「SDGsトレイン」の取組みに加わる東急グループも、「美しい時代へ」のスローガンの下、鉄道事業を基盤とした「持続的なまちづくり」で社会課題の解決と事業成長の両立に取り組むとともに、さまざまな社会貢献活動を行ってきた。

阪急電鉄と阪神電気鉄道、東急電鉄の3社は9月8日から、共通テーマを掲げたラッピング列車「SDGsトレイン 2020」を東西で協働運行。SDGsの認知度向上を図り、SDGsの達成に向けた取組みを広く社会に普及させるとともに、持続可能な未来を創造していくきっかけとなることをめざす。

東急グループが運行するラッピング列車「SDGsトレイン『美しい時代へ号』」は、東急電鉄の東横線・田園都市線・世田谷線の各1編成を使用し、いずれも東急線内において、実質的に再生可能エネルギー由来の電力で運行するとのこと。SDGsの理念と、東急グループが取り組んできた活動を紹介する「展覧会のような車両」としてデザインされ、車体のラッピングも「展覧会への扉」と考え、SDGsを象徴する17のゴールのカラーを用い、光が反射するようなモザイク模様を施した。「SDGsトレイン 2020」を運行する3社共通デザインのヘッドマークを掲げ、ドアステッカーや車内吊りポスターも共通デザインを採用している。

  • 車両撮影会では、阪急電鉄、阪神電気鉄道、東急電鉄の駅長3名と「SDGsトレイン『美しい時代へ号』」のフォトセッションが行われた。「SDGsトレイン 2020」を紹介するドアステッカーや車内吊りポスターも掲出されている

  • 出発記念セレモニーでは、駅長3名から慶應義塾大学の学生へ「未来への切符」を贈呈。テープカットは東急電鉄の渋谷駅統括駅長による合図とともに行われた

9月8日の車両撮影会では、東横線の車両(5000系8両編成)を使用した「SDGsトレイン『美しい時代へ号』」が公開され、東急電鉄の渋谷駅統括駅長、阪急電鉄の大阪梅田駅管区統括駅長、阪神電気鉄道の梅田駅管区駅長の3名とラッピング列車のフォトセッションが行われた。車両撮影会に先立ち、都内で出発記念セレモニーも開催。SDGsの研究活動を行う慶應義塾大学の学生が「未来へ向けたSDGsメッセージ」を発表した後、駅長3名から学生へ「未来への切符」が贈呈された。

東急代表取締役会長・東急グループ代表の野本弘文氏は、「SDGsトレイン 2020」の協働運行を開始するにあたり、「コロナ禍の収束が見えず、人々のライフスタイルやワークスタイルが変容する中、SDGsのめざす社会の実現がますます問われる時代になっているのではないか。SDGsトレインの取組みなどを通じ、SDGsへの理解を深める一助となれば」と挨拶。阪急阪神ホールディングス代表取締役会長・グループCEOの角和夫氏も登壇し、「SDGsトレイン」の取組みについて、「関西は関東と比べて情報発信力が劣っており、西だけでやっても広がりが出てこない」とした上で、東西の協働運行が実現したことに、「これほどうれしいことはありません」とコメントした。

なお、東急電鉄が加わっての協働運行を受け、阪急電鉄と阪神電気鉄道が昨年5月から運行している「SDGsトレイン『未来のゆめ・まち号』」も、9月8日からデザインを一部変更するとのことだった。3社による協働運行は2021年9月上旬まで実施予定となっている。

  • 東急東横線「SDGsトレイン『美しい時代へ号』」の車内・外観。東横線をはじめ、相互直通区間も走行する