角換わりの激しい攻め合いの将棋で、三浦弘行九段に勝利

第70期王将戦(主催:スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社)の二次予選決勝、▲三浦弘行九段-△木村一基九段戦が8月24日に東京・将棋会館で行われました。リーグ入りをかけた大一番は、102手で木村九段の勝利となりました。

角換わりの将棋となった本局は、先手の三浦九段が積極的な先行策を見せます。全く同じ形を両者は6月の対局でも指しており、その時は木村九段が勝利しました。当然、三浦九段は改良案を用意してきているはず。それを木村九段は真っ向から受けて立ちます。

先に手を変えたのは三浦九段でした。しかし、木村九段はほとんど時間を使わずに手を返します。木村九段もおそらくこの形を想定して準備してきたのでしょう。

三浦九段が6筋を突いて仕掛けた手に対し、木村九段は飛車取りに角を打ちました。三浦九段はなんと飛車取りを受けずに6筋の歩を突き進め、お互いが我が道を行く展開に。木村九段は玉のすぐそばにと金を作られましたが、そのと金を取ったばかりの飛車を王手と金取りに打って消すのが好手。激しい展開になったものの、局面のバランスは保たれています。

そこからも両者駒を取っては取られる激しい攻防が続きました。木村九段の玉はいつしか周りに金銀が1枚もいない丸裸の状態に。一方、三浦玉は金銀5枚に守られています。しかし、不思議と寄る気がしないのが木村玉です。三浦九段に攻められるも、するするとかわしていき、ギリギリのところで捕まりません。一方、三浦玉の守備陣は、金銀の連結を崩す木村九段の鋭手△7七歩でガタガタになってしまいました。

木村九段は桂香で相手の金銀を1枚ずつ削っていき、最後は長手数の即詰みに打ち取って勝利を収めました。この勝利で木村九段は挑戦者決定リーグ入り達成です。意外なことに、これが初めての挑戦者決定リーグ参戦となります。

先日の王位戦七番勝負で藤井聡太棋聖に敗れ、「九段」に戻っての初戦を白星で飾った木村九段。王位失冠直後のインタビューでは「またやり直せということでしょう。1から出直します」と語っていました。その言葉通り出直しの一番を制して、「百折不撓」のストーリーはまだまだ続いていきます。

初の王将リーグ入りとなる木村九段。リーグでは藤井二冠との再戦が組まれる
初の王将リーグ入りとなる木村九段。リーグでは藤井二冠との再戦が組まれる