アイドルグループ・関ジャニ∞の大倉忠義が、来年1月スタートのフジテレビ系ドラマ『知ってるワイフ』(毎週木曜22:00~)に主演することが12日、明らかになった。ヒロイン役は広瀬アリスで、2人は初共演となる。

広瀬アリス(左)と大倉忠義=フジテレビ提供

今作は、韓国の有料ケーブルテレビチャンネル・tvNで18年に放送された同名ドラマ(FODプレミアムで配信中)が原作。「結婚生活、こんなはずじゃなかった! あの頃に戻って人生をやり直したい!」と日々嘆く恐妻家の主人公が、ある日突然過去にタイムスリップして、妻を入れ替えてしまうところから始まる物語だ。脚本は橋部敦子氏、演出は土方政人氏、プロデュースは共同テレビの貸川聡子氏が担当する。

大倉が演じるのは、銀行に勤め、結婚5年目で2児の父親である主人公・剣崎元春。職場では上司から業績を上げろと叱責(しっせき)され、仕事に疲れ果てて帰ると妻・澪から怒鳴られる、肩身の狭い毎日を過ごしている。

その妻・澪を演じるのが広瀬。結婚5年目の今、優しかった元春が、仕事を言い訳に家事と育児を押し付けて、たまにお願いした子供の保育園のお迎えも忘れる始末。父の法事にも不参加。疲れ果てた1日の終わりに、酔っぱらって帰ってくる元春が憎たらしくてたまらない。子供を寝かしつけた後、散らかったリビングで発泡酒を飲みながら「なんでこんな風になっちゃたんだろう」とため息をつく毎日を送っている。

大倉、広瀬、編成企画のフジテレビ・狩野雄太氏のコメントは、以下のとおり。

■大倉忠義

――今作の出演オファーを聞いていかがでしたか。

実は『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』がフジテレビ連続ドラマ初出演でした。それまでオファーをいただけなかったので、“フジテレビに嫌われているんだ…”と勝手に思っていました(笑)。今回は2年ぶりの出演で、主演のお話をいただいて純粋にうれしかったです

――企画について。

最近は映画(『窮鼠(きゅうそ)はチーズの夢を見る』)も舞台(『蜘蛛(くも)女のキス』)も相手役が男性のことが多かったので、「あ、女性ともラブストーリーをやっていいんだ」と思いました。とはいえ、タイムスリップしているのでただのラブストーリーではないかもしれませんが(笑)。台本を読む前に、原作ドラマを拝見したのですが、タイムスリップというファンタジーの設定ながらもドラマの世界観に入り込んで見てしまいました。主人公に「なにやってんねん!」とツッコミながら見ていたので、今回は僕自身がそう演じられるように意識しています。さまざまなキャラクターが登場するのでいろんな視点で見ることができますし、視聴者の方が自分自身に置き換えて「自分だったらどうするんだろう?」と考えながら見ていただけたらおもしろいなと思います。「こんな恋愛したいな」と憧れるラブストーリーというよりも、見てくださる方が自分事としてなにか考えていただけるきっかけになれるような作品だと思います。

――今回の役柄について。

ひょっとしたら、元春のような方は多いのではないかと思います。自分はまだ結婚していないですけど、結婚したらケンカをするたびに「結婚しなきゃよかった」と後悔するだろうなと想像しました(笑)。だからこそ、既婚、未婚関係なく、誰にでもある感情でリアリティーがある役柄だと思います。「人生が変えられるならタイムスリップしたいな」と僕も考えたことがありますし(笑)。タイムスリップという展開がある中でも、リアルをめざして親近感を感じていただけるように演じています。

――初共演の広瀬アリスさんについて。

第一印象は…かわいい(笑)! 『関ジャニ∞クロニクル』(15年5月~、フジテレビ)に一度ゲストで出演していただいたんです。バラエティ番組ですし、僕としてはジョークのつもりだったんですけど、「かわいい、かわいい」言い過ぎてしまったようで…。見る方によっては本気で受け取られていたのではないかと気になっています(笑)。ご本人はめちゃめちゃ芸達者というイメージがあります。いろいろな役柄を演じてこられていますし、『関ジャニ―』の収録でもその場の空気を読み取ってくださっていたのが印象に残っています。今回、一緒にお芝居させていただくのを楽しみにしていました。どれくらいのレベルで罵倒してくれるのか…M心がうずきますね。これもジョークです(笑)。いざ現場でご一緒させていただくと、とにかく明るい方。笑っているか、無か(笑)。オン・オフの切り替えがわかりやすい方でやりやすいです。

――視聴者の方へメッセージ。

このようなご時世の中で、周りの大切な存在を改めて感じた方も多いのではと思います。ドラマを見てくださる方にとって、身近の愛している人だからこそもっと大事にしようと再認識できるようなきっかけになれればうれしいです。自分たちも考えながらやれたらなと思いますし、明るく楽しいドラマになればいいなと思います。

■広瀬アリス

――フジテレビ初ヒロインとなる今作の出演オファーを聞いていかがでしたか。

「ヒロインだ」と意識しすぎるとプレッシャーに負けてしまいそうになるのですが、純粋にうれしかったです。これまで夫婦という設定や恋人がいる役柄は演じたことがありますが、恋愛がメーンのドラマは25歳にして今回が初めてです。どんな作品になるのかな?と期待が膨らみました。

――企画について。

タイムスリップで過去にいって未来を変える物語なので、同じ役でもさまざまな年齢や人格に変化があったりするのが、すごくおもしろいなと思いました。さまざまな澪が登場するので、台本を読みながら、早く演じたいという思いが強くなりました。また、「過去に戻りたい、やり直したい」と考えるのは、誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。私も常に思っています(笑)

――今回の役柄について。

澪は真っすぐで、すごくエネルギッシュな人だなと思います。何事にも一生懸命な人だからこそ、多忙な毎日で余裕をなくし、元春に当たり散らしてしまいます。一方で、元春の態度や言動は思いやりに欠けるなと感じます。私も日常生活の中で、自分自身や愛犬にささいなことでイラッとしてしまうことがあるのですが、夫婦だと積もり積もるものも大きいはず。元春の何気ない一言に、「なんでそんなこと言われなきゃならないの!」と澪が怒ってしまうのも仕方がないと思います。このドラマをご覧頂いた方が「自分は家族に思いやりを持って接することができているかな」と考えるきっかけになれたらうれしいです。

また、若くして子供を産む役を演じたことはありますが、今回のように結婚、出産をして育児、家事、仕事をこなす母親役は初めてなので楽しみです。同時に、役作りをしながら、世の中のお母さんたちのすごさを改めて感じています。ふたりの子役たちと距離を縮めて、本物のお母さんに近づけるよう演じたいです。ちなみに、顔は濃くて私に似ています(笑)

――初共演の大倉忠義さんについて。

もしかしたら、足元が3㎝くらい浮いていらっしゃるのかも?と感じることがあります(笑)。というのも、お疲れの時は「僕、疲れています」という顔をなさるし、楽しい時は「今、すごく楽しいです」というのが伝わってきます。それが潔くて、やわらかな空気感を持っていらっしゃる方だなと思います。以前『関ジャニ∞クロニクル』でご一緒させていただいた時は分からなかったので、今回新たな一面を知ることができました。

――視聴者の方へメッセージ。

過去にやり残したこと、やり直したいと思う人の葛藤、そして夫婦や親子、仕事などさまざまな人間模様をリアルに描いている作品です。ドラマをご覧いただいて、自分の身の回りにいる人たちへ思いやりを持って接することができているのか、改めて考えていただけたらと思います。あとは、登場人物たちの恋愛模様を純粋に楽しんでいただきたいです。

■編成企画・狩野雄太氏

――今作の企画意図について。

脚本の橋部さん、貸川プロデューサーと企画を練っている時に、偶然『知ってるワイフ』を知り、見てみたら面白すぎて一気に見てしまいました。そして、どこの国でも似たような問題があるのだな(笑)と思いながらも、このドラマならではのメッセージが素敵ですごくいいなと思い日本の夫婦でもこの物語を作ってみたいと思いました。

また、本来はもう少し早くお届けできたらと思っておりましたが、新型コロナウイルスの影響で1月期にお送りすることになりました。このコロナ禍で家族やパートナーと過ごす時間が増えた方も多いと思います。そんな中で、大倉さんもおっしゃる通り、きっと隣の誰かのことを大切に思える、考えるきっかけになるストーリーになっているかと思いますのでぜひご覧いただければ幸いです。

――キャスティングについて。

主役の元春は、最初は日々に余裕がない30代のスーツ姿の銀行員で、タイムスリップした時は私服の大学生、現代に戻ってきた時はお金持ちのお婿さんと幅広い設定を演じていただかなくてはなりません。また、切なくなったり、後悔したりする場面が多いキャラクターなのですが、『蜘蛛(くも)女のキス』や『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』などを拝見させていただき、大倉さんの切ないときや、後悔しているときの表情が個人的にとても大好きで、この役を演じていただくのは、大倉さんをおいて他はいないと思い、ご出演をお願い致しました。

一方でヒロインの澪も、日常に疲れ怒ってばかりの子持ちの主婦、タイムスリップした時は女子高生、現代に戻ってきたら、独身のキャリアウーマンと幅広い設定があります。そんな澪の周囲を明るくする笑顔だったり、恋する表情だったりと感情の動きもたくさんあるキャラクターを広瀬さんで見てみたいと思いご出演をお願い致しました。また2人ともどこかかわいらしくてほほえましい感じが出ています。

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