――『ウルトラマンタイガ』のテレビシリーズは2019年7月から12月にかけて放送されましたが、その間、SNSでの反響や、イベントでの直接の応援の声を聞いてどんな思いを抱きましたか。

こんなにたくさんの人たちに応援してもらって、支えられているんだなと実感しましたね。毎朝テレビを観てくださったときの感想もすごくうれしかったですし、特にイベントで子どもたちから直接大きな声援を送ってもらったときの感動が忘れられません。子どもたちの顔がひとりひとりよく見えるんですが、キラキラ輝く目を見ていると、胸に熱いものがこみあげてきます。

特に印象に残っているのは、テレビシリーズ最終回のあと、年末年始に東京ドームシティ・プリズムホールで開催された「ウルトラヒーローズEXPO2020 ニューイヤーフェスティバル」(2019年12月28日~2020年1月5日まで開催)です。1日5回公演で、9日間連続でステージに立つのは、体力的にもかなりキツかったんですけど、子どもたちの大きな声援を聞いて、ヒロユキを見つめてくれるあの興奮した表情、まなざしを間近にすると、もう全力でやるしかなくなります。疲れを吹き飛ばして、自然とパワーがわいてくるって感覚は、ヒーロー作品ならではの現象なのかもしれないなって、しみじみ感じました。

――『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』で、井上さんが特に力を込めて、頑張ったなと思えるのはどんな場面でしょう。

映画の冒頭部分ですね。テレビシリーズ最終回でE.G.I.S.にヒロユキの"後輩"が出来まして、映画では先輩となったヒロユキが彼らと一緒に行動し、これまで以上に張り切っているんです。最終回から半年の時間が過ぎた設定なので「僕はこんなに成長したんだぞ」ってところをアピールしたいヒロユキがいて、テレビでは見せなかったようなテンションでやっています。カナ社長から「そんなんじゃダメだよ」なんてたしなめられているのに、ぜんぜん気づかなくて「こんなところで止まっていられない。僕は地球人と宇宙人の架け橋になるんだ!」って気負いすぎて、自分を見失っているんです。僕としては、いつもと違うヒロユキが演じられて、すごく刺激的でした。そんな、ヒロユキがどうやっていつもの自分を取り戻し、本当の成長を遂げていくのか……に注目してほしいです。

――映画ということで、ウルトラヒーローと怪獣軍団とのバトルシーンも迫力がすごいそうですね。

試写を観たとき、あまりの迫力に興奮しました! 思わず市野監督に「あのシーン、どうやって撮ったんですか?」って聞いたりしました(笑)。ウルトラヒーローが次々に地上へ降り立つカットを観ていると、あんなにステージ広かったっけ?みたいな感覚になるんです。それだけ、スケール感がものすごい。ウルトラヒーローが怪獣軍団を迎えうつシーンを、映画館の大きなスクリーンでぜひ楽しんでほしいです。

――ヒロユキとタイガ、タイタス、フーマの活躍は今回の『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』でひとつの"区切り"を迎えるようですが、今後、ウルトラヒーローを助けに来る"レジェンド"といった役割で、帰ってきたヒロユキを演じたいと思われますか?

それはもう、機会があったらぜひ出演してみたいです。「生き物への果てしない優しさ」や「熱血」といった"持ち味"を残しつつ、さまざまな経験を積んで成長したヒロユキが"後輩"のウルトラマンと出会ったとき、どんな接し方をするんだろうか……。僕の頭の中には、そんな"未来のヒロユキ像"がしっかり作り上げられていますから、いつかまたウルトラマンの世界に帰ってくることができたらうれしいです。

『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』は全国ロードショー公開中。

(C)円谷プロ (C)劇場版ウルトラマンタイガ製作委員会