• 『男おばさん!!』の収録に臨む笠井アナ

これまでは自宅からのリモート出演が続いていたが、「時代に救われたと思いました」と前向きに捉えている。

「自宅療養中の2カ月間は、基本的に家から出ないということだったので、仕事なんて一切できないと思ってたんです。そしたらリモートワークというのが出てきて、それによってスタジオ復帰へのリハビリになりました。がんサバイバーから見て、これは“弱者のツール”だと思いましたね。家から出られない人、抗がん剤治療を受けている人、病弱な人、精神的に外に出ることができない人たちも、リモートで仕事しやすい環境がどんどん生まれていく。コロナは非常に良くないことですが、その副産物として、我々弱者を救ってくれるツールが構築されつつあるのは、とても良いことだと思っています」

『男おばさん!!』の収録前には、古巣のアナウンス室のほか、生放送が終わった『とくダネ!』のスタジオにも顔を出したが、「小倉(智昭)さんに会った瞬間、泣き崩れてしまったんです。一番最初にがんのことを相談したので、あいさつに行って喜ばせなきゃと思ったんですけど、なぜだか分からないけど泣いてしまいましたね」と、あふれ出る感情があったようだ。

■今後はがんに関する活動も「1つの柱に」

これから、フリーアナウンサーとして再スタートを切ることになるが、「フリーになって最初の2カ月間は本当に様々な仕事をやらせてもらえたので、とにかくまた普通の仕事の状況に戻していきたいですね」と意欲。

それに加え、「がんというものを経験したことによって、これからはがんを自分の活動の1つの柱に据えていかなければと思ってるんです。この10年は、東日本大震災の被災地と取材を通じていろんなことをやってきましたけど、これから何をするかというときに、『今度はがんをやりなさい』という神様の思し召しだと思って、本を書いたり、フォーラムに参加したりして、がんにまつわるいろんなことを伝えていく活動をしていきたいです。ただ『治ってよかったね』で済ませちゃいけないなと思っています」と展望を語ってくれた。

  • 笠井アナ(左)と軽部真一アナ (C)フジテレビ