動画クリエイター、モデル、歌手など多方面で異彩を放つkemio。高校生時代に動画アプリ・Vineで一躍時の人となり、2016年末に活動拠点をアメリカに移して以降も、YouTubeやInstagram、Twitterなど、発信元がいかに変わろうとも彼の存在感が陰りを見せることはない。

そんなkemioが、6月20日からSpotifyオリジナルポッドキャスト番組『kemioの耳そうじクラブ』をスタートした。HIKAKINに続いて、ガンバレルーヤ、青山テルマとゲストも多彩な顔ぶれの同番組。kemioが新たな領域に挑む思い、そして、初回ゲスト・HIKAKINとの収録秘話とは。6月18日のオンライン会見後に取材したところ、約6年前の“ラジオ失敗談”も明かしてくれた。

  • 『kemioの耳そうじクラブ』でパーソナリティを務めるkemio

■HIKAKINに感謝「助けていただいた」

――オンライン会見はいかがでしたか?

なんか、友達と電話している感覚で、寝巻きでやっていたので(笑)。人の反応が分からないので、何でもかんでもしゃべってしまいそうでした(笑)。

――初回ゲストのHIKAKINさんとはどういう関係性だったんですか?

ありがたいことに、オファーさせていただいて。イベントとかでお会いしたことはあったんですが、あいさつ程度の会話でした。

――会見では「情報の鮮度」を大切にしているともおっしゃっていましたね。いつも意識していらっしゃるんですか?

そうですね。僕がやっているソーシャルメディアの活動自体が、その日にあったことを上げていたりするので。あとは、以前に比べて、コンテンツ一つひとつの消費されるスピードが速くなっているので、「お客様には常に新鮮な情報を」といつも考えています。

――『kemioの耳そうじクラブ』は、いろいろな業界の方をゲストに招くそうですが、基本的にはkemioさんが聞き手に回るイメージですか?

本当にそういう感じだと思います。1回目の収録を終えて、改めて聞き返すとそうなっていました。もしかしたら、YouTubeみたいに“鼓膜を破られる”ような衝撃を期待して聴こうとしてくださる方がいらっしゃいましたら、それとは真逆だと思います。どちらかというと、「鼓膜を撫でられる」イメージです。今までにない落ち着き具合。普通に真面目に話しています。

――YouTubeとの差別化も?

分けようとは思ってないんですけど、もともとのコンセプトが「ゲストをお招きして、お話を聞く」という感じで、自分がリードして話す番組ではないので、自然とそうなったのかなと思います。あらためて、人の話を聞き出すのは難しいことだと感じました。もっと勉強していきたいです。

――kemioさんにとって、「話すこと」とは?

人といる時には常にしゃべっていたいタイプで、ウザがられるタイプ。友人とかも「毎日は会わなくていいかも」とよく言われます。第1回はHIKAKINさんのトークの技に助けていただいた部分が大きくて。HIKAKINさんがすごくおしゃべりが上手なのと、1つの質問に対して50個ぐらい返してくださるので、初めてのことでしたが、すごくありがたい環境下でやらせていただいたと思います。

――ご自身の声は好きですか?

そこはあまり意識したことないです。逆に自分の映像とかは見返せないです。先日、リモートで番組に参加させていただいた時に、動画を見てゲストの方とお話しする内容だったんですけど、それはかなり地獄でした……。

■“悪夢”の2014年放送『けみおのオールナイトニッポンGOLD』

――6年半前には、ラジオパーソナリティ(『けみおのオールナイトニッポン GOLD』)にも挑戦されていたんですね。

一番最初のお仕事でした。今から6年ぐらい前、高校を卒業しているかしてないかぐらいの頃だと思います。

――2時間の放送だったと思いますが、いかがでしたか?

もう……最悪です(笑)! 放送事故どころの騒ぎじゃなかった……。もう一生呼ばれないと思いました。

――何があったんですか(笑)。

オールナイトニッポンさんに土下座って感じです。「素人を使う」という大冒険をしてくださったのに、期待に応えられない上に大きなキズを残してしまいました。謝罪会見をしたい気分です。

――何があったのか、ますます気になります(笑)。

本当に人生で初めてのお仕事という感じだったので、しかも一人なので段取りも分からなかったですし、漢字も読めなさすぎてカミカミで。生放送ではなかったんですけど、収録が終わったら着ていたシャツが全部スケスケになるくらい汗でビッチョビチョになって……。もう、あんな経験は一生したくないです。

――kemioさんにとってはトラウマになった仕事でもあるんですね。

そうですね。今考えると、当時の自分には恐れ多いというか。挑戦でした。

――再挑戦したいという思いもありますか?

思います! いつも、ラジオはやってみたいと思っているので。機会があれば超やりたいです。この願いがニッポン放送さんに届くといいな! 当時を覚えてくださっていないことを願いますが、覚えてくださっていたらたぶん呼ばれないと思います。

――そんな思いを、『kemioの耳そうじクラブ』にぶつけてください! 配信を楽しみにしています。

ありがとうございます! 自分が普通に生活していたら接することがないような方や、各業界の様々な方をお招きしたいです。小池百合子さんをお招きして、ソーシャルディスタンスについて語り合うとかもいいですね。それから医療現場で頑張っている方もたくさんいらっしゃいますので、そういう方のお話も聞いてみたいと思っています。

■プロフィール
kemio
1995年10月16日生まれ。YouTube、Instagram、Twitterなどを含め、フォロワー約400万人をかかえるクリエイター。モデルや歌手としても活動し、2019年4月に発売した『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』は、発売から3カ月で15万部を超えるベストセラーに。GQ MEN OF THE YEAR 2019 では、Youth Influencer of the Yearを受賞した。