■総評

調査の結果、ボーナス制度がある会社に勤めている人は全体の89.3%と、ほぼ9割近い数字となった。その中で、今年の夏のボーナスが支給される予定の人は80.9%。支給予定がない人は3.9%にとどまり、「わからない」と回答した人も15.2%いた。

続けて、昨年と比べて今年の夏のボーナスが増える予定か、あるいは減る予定かを聞いたところ、「増える予定」が6.5%、「減る予定」は26.7%、「変わらない予定」は66.9%。減る人が3割弱いるものの、約3分の2は変わらないと回答している。

今年の夏のボーナスを何に使う予定かという問いに対しては(複数選択可)、「現在のところは未定」が38.6%を集めトップに。以下、2位「預貯金」(37.3%)、3位「生活費の補填」(23.2%)、4位「趣味・娯楽費」(15.5%)、5位「レジャー費」(14.8%)、6位「税金の支払い」(11.2%)と続いた。

それぞれの使い道を選んだ理由を訊ねると、「預貯金」「生活費の補填」「税金の支払い」などに関しては、やはり今回のコロナ禍にあって現状の生活が困窮していたり、あるいは将来に大きな不安や心配を抱いていて、それらへの備えとして使い道を選んでいることがわかる。6位「税金の支払い」(11.2%)や7位「金融商品の購入(投資・資産運用など)」(10.8%)、8位「ローンや借金の返済」(10.5%)などもこれと同じ考え方だ。

1位の「現在のところは未定」でも"余裕があるので未定"と言うよりは、「有効的な使い方を模索中」(52歳男性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)、「家計に入るため、わからない」(43歳男性/電力・ガス・エネルギー/営業関連)、「いつも決めていない。普段の給料とボーナスで区別しないし、ボーナス関係なく、必要なものに必要な時にお金を使う」(35歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)など、「今は使い道が確定していないものの、いずれはしかるべきところへ出費する」ということのようだ。

一方、「趣味・娯楽費」や「レジャー費」、あるいは9位「外食費」(9.6%)、10位「衣料品・装飾品の購入」(8.6%)などでは、外出自粛などで行動の制約を強いられた反動で、緊急事態宣言の解除後には心身ともにリフレッシュしたいと言う声が目立つ。特にレジャーでは当面海外旅行は難しそうなので、せめて家族で国内旅行をという人が多くいた。

みずほ総合研究所がこのほど公表した「2020年夏季ボーナス予測」によれば、2020年夏の民間企業の一人当たりボーナスは前年比マイナス9.2%と、リーマンショック後以来の大幅な減少を見込んでいる。新型コロナウイルス感染拡大による企業収益・雇用環境の急速な悪化を受け、2020年冬はさらに落ち込むと予測している。

今回の調査でも、今夏のボーナス支給額は昨年と比べ「変わらない」とした人が3分の2いるものの、この先の日本経済の行方や個々の生活に関しては大いに不安を持っている、という実態がうかがえる。ボーナスの使い道についても、生活防衛を主体に考えている人が多い。

未だ終息への道筋が見えにくい今回のコロナ事態。メディアでは"ウイズコロナ"や"アフターコロナ"など、コロナとの共存を提言する声も見受けられる。私たちの暮らしも否応なく、経済面も含めた新しいライフスタイルを模索すべき時代が迫っているのかもしれない。

調査時期: 2020年6月2日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 804人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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