スーパー戦隊シリーズ第43作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は、2019年3月から2020年3月までテレビ朝日系にて放送され、子どもたちを中心に大好評を博した。人間のマイナス感情などを利用して、怪物「マイナソー」を生み出す戦闘民族ドルイドンと戦い、人々を守る使命を帯びた6人のヒーローの活躍を描いた本作では、"強さ"の象徴「恐竜」に"正しさ"の象徴「騎士」を組み合わせたヒーローキャラクターが創造された。

  • 綱啓永(つな・けいと)。1998年生まれ、千葉県出身。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞し、芸能界入り。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)でリュウソウブルー/メルト役で活躍。朗読 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』(2020年7月10~12日、東京・紀伊國屋ホール)にケン役として出演。撮影:大門徹

従来のスーパー戦隊シリーズでは、テレビが最終回を迎えた直後に「ファイナルライブツアー」と称して全国各地をめぐるアクションショーが開催されることになっていたが、今年(2020年)は新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう政府の緊急事態宣言を受けて、全公演が中止となってしまった。

しかし「ファイナルライブツアー」の開催を楽しみにしていた全国の『リュウソウジャー』ファンの思いに応えるべく、このたび、ドラマCD『「騎士竜戦隊リュウソウジャー ファイナルライブツアー」おはなしCDスペシャルセット』(5,000円/税込)として発売されることが決定した。

今回は、冷静なリュウソウジャーの頭脳として戦いを導く「叡智の騎士」リュウソウブルー/メルト役の綱啓永がインタビューに登場。一年間にわたって参加したドラマ作りへの思い、CD化が決定したFLTについて聞いた。

――一年間メルトを演じてきて、綱さんご自身が「自分のここは成長したな」と感じたのはどんなところでしょう。

いっぱいありますが、一番はお芝居が楽しくなったというところです。本当にやっていて楽しくて。クランクインしたばかりのころは、必死にもがいてばかりいたような気がします。始まる前は「メインキャストとして引っ張っていかなきゃ!」という思いだったんでが、いざ始まってみると、特に最初の数か月はもがくことしかできていない状態でした。

終盤は引っ張るまではいかなくとも、メインキャストの一人として、作品を作る一員として全力を注ぐため、役に向き合うためにかける時間も変わりました。一年経ってやっとかよ!って感じですけど、アドリブも入れられるようになったし、メルトを演じることがすごく楽しかったですね。

――例えば、バンバであれば最初は寡黙で無愛想だけれど、回を追うごとに少しずつ心を開いていくなど、キャラクターの変化が演じる上であるのではないかと思います。メルトを演じるにあたって、全体を通して芝居の組み立てを意識していた部分はありましたか?

僕は戦隊のブルーの戦士は"クール"という印象を持っていて、メルトは冷静であればいいんだなと最初のうちは思っていたんです。実際にいただいたキャラクター像も、努力家で知識があって、初見のものには弱いけど、復習するから二度目は強いという勉強熱心なキャラであると。でも、イジられるようになりだしてからは、自分自身もお芝居をしているのが楽しくなりました。

――イジられる姿もメルトの魅力ですよね。第32話「憎悪の雨が止む時」では、ジャックオーランタンマイナソーの七色の雨に打たれたオトちゃんに「笑顔が嘘くさいんだよ!」と責められるシーンもあり、めちゃくちゃはまりましたよね。

あれひどいですよね笑。最初に台本を読んだとき驚きました。脚本家さんひどいなって笑。

――そしてティラミーゴが絶対に名前を覚えてくれないという。

そこもメルトのキャラクターのおもしろいところです。からかっているんですよね。そういう扱いに対して流そうとするけど、我慢できなくなるという。全体を通して、バンバだったら女性との関係性が多く描かれていますよね。メルトはそれがオトちゃんやティラミーゴ、幼なじみなんです。一年を通していろんな人との関係性が広がったことでキャラクターの幅が出たんじゃないかと思います。

――メルトはモテるタイプではないけどピンポイントでモテるんですよね。

そうなんですよ! 僕からしてもメルトはモテないだろうなって思います。まじめすぎるし、おもしろくないし……でもオトちゃんが好きでいてくれていますから、うれしいですね!

――さっき隣りでインタビューをしていたリュウソウゴールド/カナロ役の兵頭功海さんが「気が散るな~笑」と反応されていましたが、オトちゃんをめぐるバチバチがここでもあるんですね。舞台挨拶でもオトちゃんをめぐり、二人の掛け合いが起きることもありましたね。

そういうところが演技でも出ていたのがよかったのかもしれませんね。