コロナ禍によって新作の放送を中断していた俳優・中村倫也主演のサスペンスドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系、毎週日曜22:30~)が、緊急事態宣言解除を受けて撮影再開! きょう14日、ついに第7話が放送される。

  • 『美食探偵 明智五郎』に出演する森永悠希(中央)=日本テレビ提供

■ステージ上の“天使”がマリアに穢される!

中村倫也のゴールデン・プライム帯初主演の今作は、探偵・明智五郎(中村)が類まれなグルメの知識を使って、殺人事件を解決しながら殺人鬼“マグダラのマリア”へと変貌した主婦(小池栄子)と対決する“恋する毒殺サスペンス”。第7話は、地下アイドルとストーカーによるサイコ・サスペンスの様相を呈している。

苺(小芝風花)の友人で、地下アイドル“爆音エンジェルズ”のメンバーとして活動するココ(武田玲奈)。ある日、苺は、ココからストーカー被害の報告を受ける。ストーカー化したファン・田畑(森永悠希)が、ココの自宅マンションを突き止め、押しかけてきているというのだ。

明智は、ココのボディーガードを引き受けることに。すっかり明智を気に入った“爆音エンジェルズ”メンバーも共に、明智の事務所に匿われることになる。一見、平和を取り戻したかに思えた共同生活。だが、これに気づいたマリアが、SNSのダイレクトメールでココに接触し…。

ステージ上の“天使”だったココは、マリアの手により復しゅうの“堕天使”へ。美しく光り輝く魂が穢(けが)され、ゆっくりと“失楽園”への扉が開いていく──。

■まさかの“あの人”が! 今後の展開を予測不能に

前回の第6話ラストで、明智の“助手”から“料理人”として距離を置くことを決めた苺。鍵をかけたはずの苺の恋心は、明智の言動によって再びざわつき始めることに。その心情の変化が、小芝風花の芝居によって、コミカルながらも繊細に表現されている。

あえて言葉の核心を見せない、中村倫也の表情や語り口も見事だ。何を考えているか分からない明智と、彼の一挙手一投足に振り回される苺とのやり取り。観る人は4週間のブランクも感じず“美食探偵ワールド”へ復帰できることだろう。

そして、そのコメディチックな展開が、ストーカーの狂気で黒く塗りつぶされていく、その落差!!

売り出し中のアイドルらしい初々しさを見せる武田の好演、そして、そこに立っているだけで人の心に不安を植え付けるストーカー役・森永の怪演。あいも変わらず怪しい美しさを振りまくマリアこと小池栄子…と、今回も多くの見どころがあるが、まさかの“あの人”の登場には、とくに度肝を抜かれるはずだ。

ネタバレを避けるために多くは語らないが、そのシーンは、このドラマが一筋縄では語れる作品ではないことを意味する。

一気に最終章へと突入する第7話。物語は比較的スピーディーに展開していくが、さまざまな意味で、片時も目を離さず鑑賞することを、強く勧めたい。