新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、試験的にテレワークを導入した会社は少なくない。大手企業で言えばローソンや花王、トヨタ、アサヒグループホールディングスなどがテレワークを実施。第2波や第3波の襲来が予想されることもあり、テレワーク実施企業においては今後も継続的な制度の維持が見込まれている。

  • テレワークにゲーミングチェアを使ってみませんか?

    テレワークにゲーミングチェアを使ってみませんか?

仕事の内容や家庭での作業環境に左右される部分も大きいだろうが、いざ実際にやってみると多くの人がこう思ったのではないだろうか。

「意外と自宅でも仕事ができてしまう」

と。

なんだったら

「むしろ、周囲の余分な雑談に付き合わずにすむので、自宅の仕事がはかどる」

と。

ではここで質問だ。「オフィスと自宅で作業効率が全く同じ」という前提があった場合、

A「朝7時に起床し、寝ぼけ眼のままですし詰めの満員電車に片道1時間も揺られる出社型勤務」

B「勤務開始5分前まで寝ていることが可能で、通勤時間が0分の在宅型勤務」

のいずれを選ぶだろうか。十中八九、Bを選ぶだろう。誰だってそうする。俺もそうする。そのうえで、自宅の作業環境を整えてより快適に仕事をしようとする。

作業効率アップを目指し、ゲーミングチェアをゲット

具体的に何をどうすれば、自宅の作業環境がアップするのだろうか……。

……。
……。
……。
……。

そういえば、テレワーク中は自宅のチープないすに座りっぱなしだったせいか、肩こりと腰痛がいつにも増してひどかったな……。いすか…。いすね…。そうね、

「いすをめっちゃデラックスなやつにすれば気分アゲアゲで仕事できるんじゃね!?」

「どうせなら、ずっと座りっぱなしのプロゲーマーが使用しているゲーミングチェアとかにしたらいいんじゃね!?」

ということで早速、eスポーツ担当のヤスカワ記者に相談。常にニュースを振りまいてくれる某アイドルグループの問題児よろしく、裏の世界を含めたあらゆる業界に顔がきくヤスカワ記者に独自の闇ルートを駆使してもらい、ドイツのゲーミングチェアブランド「noblechairs」の「HERO BLACK EDITION」(ヒーロー ブラックエディション)をゲットできた。

ついに到着! しかし……

そして迎えた配送当日。某運送会社の配達員が汗だくになりながら、配達予定より10分程度遅れて自宅玄関に現れた。

「とても重いので気をつけてください」

まるで、ゲーミングチェアが重すぎたのが遅刻した理由と言わんばかりの感じだった。「いやいや、そんな言い訳いらんから」――。そう思いながら、配達員が運んできた物に目をやった。

  • あまりの大きさに玄関が埋まる

    あまりの大きさに玄関が埋まる

……なんじゃこりゃぁぁ!!!!

まずはその衝撃的なでかさに驚いた。公式サイトによると「HERO」のサイズは高さが最大で134㎝、横幅が67cm、奥行きが55cmという巨躯で、重さにいたっては約29kgとのこと。玄関にどっしりと鎮座した姿に、なぜか王者の風格を感じてしまった。

腰痛持ちの腰に気をつけながら、巨大なダンボールを運ぼうとするが……。

なんだ……体の動きが鈍いぞ。うん? 違う……。動きが鈍いのではない。全く体が動かん!?

ダンボールの重さを含めると、総重量は30kgを超えるため、普通に運ぼうとしてもびくともしない。女性が運ぶ際は、2人以上で運んだ方がよいだろう。

その重さに苦戦しつつも、なんとか作業スペースのある部屋に運んだ(正確にはダンボールを転がした)。開梱して付属の説明書を見てちゃんとパーツが揃っていることを確認したら、いざ作業開始。

  • 開梱するのも一苦労

    開梱するのも一苦労

  • 梱包物や各種パーツが多いため、作業時は結構なスペースをつかうことになるので注意しよう

    梱包物や各種パーツが多いため、作業時は結構なスペースをつかうことになるので注意しよう

  • 少しずついすの形になってくるとテンションが上がる

    少しずついすの形になってくるとテンションが上がる

といっても、六角レンチでネジをはめこむなど、作業自体はいたってシンプル。2人での作業が推奨されていたが、普段あまりDIY的なことをしない小生でも、1時間程度で組み立てることができた。

  • ついに完成!

    ついに完成!

独身平民が王様になれる贅沢感

では記念すべき、ファーストシット。……なんだ、このいすとの一体感。「HERO」のボディがガッシリと自分のボディとかみあったのを実感した。漆黒の暗闇に一条の光が差し込むような実に晴れ晴れとした気分になるではないか。

アームレストにどっかと手を置き、背もたれにぐっと寄りかかる。「ふぅ~」。その気持ちよさに、思わず吐息が漏れる。独身貴族ならぬ「独身平民」である小生がまるで王様にでもなった気分だ。その座り心地に思わずハートが震えた。

詳しくディテールをみていこう。

ハイブリッドPUレザー

このチェアの革には、ドイツ製高機能素材「ハイブリッドPUレザー」を使用している。一般的な合成皮革では汗などの水分が表面に残りベタつきの原因となるが、ハイブリッドPUレザーは乾きやすく、サラッとした快適な使用感が続くとのこと。目に見えるサイズの穴を開けずに透湿性と通気性を両立させるのは難しいそうだが、それをやってのけるあたり、「ドイツの科学力は世界一ィィィ!!!」と感じた。

レザーの質感もしなやかかつなめらかで、高級車のドライビングシートのようだ。思わず出た言葉は「新車のにおいがする」。もちろん、本場・ドイツの大柄なユーザーが使用してもびくともしない耐久性も兼ね備えている。

リクライニング

リクライニングは90℃から125℃まで可動が可能だ。パソコン画面への集中力が要求される作業時には通常よりやや前傾姿勢に、仕事に疲れてちょっと一息つきたいときは背もたれをちょっと後方に倒して仮眠モードに。シチュエーションにあわせ、仕事用のいすを好みの角度にカスタマイズできることがこんなにも気持ちいいものだとは……!!

  • テレワーク中に一休みしたいときにリクライニングは大活躍

    テレワーク中に一休みしたいときにリクライニングは大活躍

アームレスト

パソコン作業中はそこまでお世話になる機会がないかもしれないが、このアームレストもいぶし銀のいい仕事をしている。前後左右、上下に動き、好きな位置に調節可能。天板にはポリウレタンを使用しており、肘が痛くならないような工夫もされている。

ランバーサポート&ネックピロー

付属のランバーサポートとネックピローも地味にありがたい。特に前者は背もたれと腰との密着感を高めてくれ、腰痛持ちの人間にとっては本当に助かるアイテムとなっている。

  • ※作業効率が上がったと感じたのは、あくまでも個人の感想です。実際の業務スピードアップを保証するわけではありません

    ※作業効率が上がったと感じたのは、あくまでも個人の感想です。実際の業務スピードアップを保証するわけではありません

せっかくだから、仕事をしてみた。なんだろう、すごくはかどる気がする。いつもだったらパソコンのログイン画面のパスワード入力に体感2秒ほど要していたのが、1.5秒ぐらいに縮まった気がする。つまり作業効率が1/4も上がったってことか! こいつはすげえや!

テレワークのお供としてあり

結論として、テレワーク用にゲーミングチェアを購入するという選択肢は「あり」か「なし」かと言えば……。

「ありありありありありアリアリアリアリアリィィィィィ!!!」

座り心地はよく、単純にいすとしての性能は抜群。以前のテレワーク時に感じていた肩や腰の疲労感も若干改善された感はある。「これだけ良質ないすに座って仕事をしているのだから、いい仕事ができるに違いない」というプラセボ効果に似たような気持ちもわいてくる。

「HERO」はその名のごとく、イケていない自宅のテレワーク環境を改善する救世主となるのかどうか。気になる人は、自分自身で確かめてみてほしい。