ユニクロは6月5日、JR原宿駅前の複合施設「WITH HARAJUKU」1F・B1Fに「ユニクロ 原宿店」をオープンさせる。UTの世界観を表現した「UT POP OUT」や着こなし発見アプリと連動した売り場「StyleHint 原宿」を体験してきた。
ユニクロ 原宿店は情報発信基地
「ユニクロ 原宿店」は、ユニクロの"LifeWear"というコンセプトを体現する店舗の1つ。4月13日にオープンした横浜ベイサイド店「UNIQLO PARK」や、6月19日にオープンする銀座店「UNIQLO TOKYO」と合わせて「すべてのLifeWearを体験できる」という。
ユニクロが原宿に出店するのは、2012年に旧店舗が閉店してから約8年ぶり。1998年に首都圏で初となる都心型店舗を、2007年に「UT」の旗艦店を出店するなど、ユニクロにとって原宿は象徴的な場所だ。
CEOの赤井田氏は、現在の社会情勢を踏まえ「コロナ禍によって人々のライフスタイルは大きく変わりました。商品だけではなく、店舗やサービスの在り方、お店そのものも次のステージに行かなければならないと思っております」とあいさつ。
そのうえで「若者が集まってそこで新しい情報が生まれ、その情報が発信されることで若者の感性をより強くし、その感性が新しい文化を作っていく。『ユニクロ 原宿店』がその情報発信基地になっていくことを願っています」と原宿店の位置付けについて説明した。
会場にはユニクロ原宿店の広告キャストに抜擢された女優・モデルの池田エライザさん、俳優・モデルの清原翔さんがUT(グラフィックTシャツ)を着用して登場。この夏のファッションや、ユニクロ・ジーユーが展開している着こなし発見アプリ「StyleHint」についてトークを披露した。
ポップカルチャーの発信基地「UP POP STORE」
ユニクロ 原宿店の1Fは「UP POP STORE」と名付けられた、ユニクロのTシャツ「UT」専用の売り場。さまざまなアーティストやブランドとコラボしたTシャツを販売するフロアとなっており、6月5日現在は「ビリー・アイリッシュ × 村上隆」のコレクションを中心に展示中。
村上隆氏が手掛けた世界にたった1つの巨大なビリー・アイリッシュ像も展示されており、通りからもその姿を見ることができる。
B1F入り口の一角にも「UT」売り場があり、こちらには「AMBUSH」のYOON氏が手掛けた「ディズニー ラブ ミニー マウス コレクション バイ アンブッシュ」を先行販売しており、新作バッグと同じデザインの特大ミニーマウスのぬいぐるみが展示されている。
またUTとして初めて販売する豆皿やノートなどの雑貨も原宿店先行販売製品として用意。
さらにB1FにはオリジナルデザインのTシャツをつくれるアプリ「UTme!」と連動したスペースも用意。「ユニクロ 原宿店」でしか作れない、限定のコラボレーションTシャツやトートバッグも販売される。
着こなし写真を240台のディスプレイで楽しめる
B1Fには、着こなし発見アプリ「StyleHint」と連動した「StyleHint 原宿」が世界初登場。店内には「StyleHint」でハッシュタグがつけられたテーマに合わせた商品が販売されている。
注目は壁一面に取り付けられた240台のタッチディスプレイ。1台1台にStyleHintユーザーによって投稿された着こなし写真が映し出されており、着こなしを閲覧・検索したり、着用している商品の在庫やバリエーション、店内での販売場所を調べたりできる。
表示されたQRコードを読み込めば自分のスマホで情報を閲覧できるので、その場から離れてもOK。
また着こなし写真を一時的にアップロードして8枚のディスプレイで比較することも可能だ。気に入った商品があればその場でオンライン会計を済ませ、商品を受け取ることもできる。
Spotifyスペシャルブースで音楽を楽しめる
ユニクロの通常ラインアップを販売するB1F入り口には、Spotifyスペシャルブースを設置。アーティストたちによってつくられた特別なSpotifyプレイリストを店内のQRコードからダウンロードしたり、その場で視聴したりできる。オープン時には「chelmico」「CHAI」「STUTS」の3組によるプレイリストを用意している。
サスティナビリティへの取り組みも
B1Fの吹き抜けには「UNIQLO PARK」に続きフラワーショップを設置。季節の色とりどりの生花や多肉植物などを1束390円(税抜)/3束990円(税抜)で販売する。少量ではあるが、書籍を取り扱っているのも情報発信基地を目指す原宿店ならではの特徴だ。
B1F内ではサスティナビリティへの取り組みとして、古着回収ボックスを設置。また原宿店ならではの展示として、ファッション・服飾専門の学校「エスモードジャポン」の学生がリユースに適さない衣料を活用してファッションを表現する「New Mission for Recycled Clothing」も展示されている。
試着室は全部で19室。身体の不自由な方や妊婦、子連れ、高齢の方に配慮した試着室も用意されており、安心して買い物を楽しむことができるだろう。
新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルス流行による緊急事態宣言を受け、開店予定日が後ろ倒しになりつつも、6月5日についにオープンした「ユニクロ 原宿店」。
店内では当面、各エリアに消毒液を設置、レジでのフィジカルディスタンスの表示、マスクを着用していない方への検温の実施、混雑時の入店制限といった基本的な感染対策のほか、タッチディスプレイにはタッチペンを用意するといった対応を行う。
ユニクロブランドを確立するきっかけとなった原宿で、満を持してオープンした「ユニクロ 原宿店」。横浜ベイサイド店「UNIQLO PARK」がファミリー向け、銀座店「UNIQLO TOKYO」が大人向けの方向性を示す中、同店は若者向けのポップカルチャーを発信することを目指している。