テレワークをはじめとする多様な働き方をいちはやくとりいれてきたサイボウズ。同社では「サイボウズの各部担当者が、在宅勤務ノウハウを大公開! サイボウズテレワークセミナー」と題するオンラインセミナーを開催している。
4月28日には「【総務労務編】完全リモートで入社手続きに対応!全社通達や雇用管理は?総務のテレワーク対応」と題して、人事労務部 野間美賀子氏がどのように総務関連の業務をテレワークでこなしているかを解説した。
同社では、テレワークや在宅勤務も従来から積極的に取り組んできており、新型コロナウイルスへの対応でも2月28日から社員は原則在宅勤務となった。
テレワークや在宅勤務については制度こそ整えたものの、実際にはうまく運用できずにいるという声も少なくない。「コロナ後」の新しい働き方でも、テレワークを継続的に運用することが求められる中、どのように対応していけばよいのか。セミナーでは人事労務部 野間美賀子氏が、防災・出張・慶弔手配といった総務分野の仕事、給与・社保・入退社の手続きといった労務分野の仕事のこなし方を解説した。
具体的に事例を示しながら解説したのは「郵便物や押印、代表電話はどうしているか」「社員情報はどのように管理しているか」「派遣社員の在宅勤務」「入社手続きはどうしているか」「社員の健康管理をどうしているか」だ。
まず、郵便物や押印、代表電話については「原則在宅勤務のなかでも、総務チームのメンバー1人が週に1度出社し、1週間分の郵便を受け取り、各本部ごとに振り分けています。紙の請求書も多くとどきますが、これを気にPDFで送ってもらうことができないかと調整しました。経費申請もPDFで申請するようにし、経理メンバーも安心して在宅勤務できるようにしています。代表電話は、家にいながら電話をとれるように複数メンバーに転送する設定し、個人宛への転送はサイボウズのグループウェアを活用して連絡先を確認しています」(野間氏)とした。
押印は、切り分け、オンライン対応、廃止で対応
押印は、テレワークの大きな障害の1つと言われるが、サイボウズでも「健康保険組合関連の申し出書類」「就労/勤務証明書」「確定拠出年金の申込書」「雇用契約書」など、多くの書類で押印が必要とされていたという。そこで大きく4つの対応を行った。
1つめは、期限が伸ばせるものは伸ばす。相手先と相談し「クラウドサイン」など電子サインが可能なものをそれを利用、物理的に押印が必要なものは先延ばしにした。2つめは、押印そのものの廃止。例えば採用通知書などについては押印を廃止し、PDFで事前に共有するかたちにした。3つめは社内の契約について電子的な契約への移行。例えば、雇用契約書などをkintone上で管理するように仕組みを変えた。4つめは、どうしても必要なものに限って出社しての押印だ。
「どうしても押印しなければいけないものと、オンラインでOKなのを切り分けました。廃止できるものは廃止し、押印しなけばいけないものは期限を伸ばしたり、週1のみ出社するなど、できるだけ人事も出社しない体制にしました」(野間氏)
また、社員データをグループウェアなどに集約することで、出社の必要が減り、作業の効率化が図れるという。