お笑いコンビ・アンタッチャブル(山崎弘也・柴田英嗣)がパーソナリティを務める特別番組『JUNK アンタッチャブルのシカゴマンゴ 最終回スペシャル』が、24日(25:00~27:00)にTBSラジオで生放送される。

“シカマン”の愛称で親しまれた『アンタッチャブルのシカゴマンゴ』は、2005年4月7日から5年間にわたり『JUNK』枠で木曜深夜に放送されたアンタッチャブルの冠ラジオ番組。レギュラー最終回・2010年4月1日の放送では、山崎の「(いつか)本当の最終回がしたい」という言葉で番組が締めくくられたが、昨年末のコンビ復活を経て10年来の願いがついに現実となった。

レギュラー当時のスタッフも参加して行われるという今回の生放送。「10年ごしの最終回」はいったいどのような経緯で決まったのか。当日2人はどんな話をするのか――。レギュラー放送時のディレクターで、今回の特別番組も担当する今村芳文氏に電話取材した。

■「10年前にした番組の内容を覚えていた」

  • 『アンタッチャブルのシカゴマンゴ』

    10年ぶりに復活する『アンタッチャブルのシカゴマンゴ』(写真提供:TBSラジオ)

――放送はどのような経緯で決まったのでしょうか?

昨年『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)でのアンタッチャブルのコンビ電撃復活は大きかったですね。番組の話自体はコンビ復活直後からすぐに出ていたのですが、いろいろとスケジュール調整の都合もあり、間をあけて今月の放送ということになりました。

――放送にあたって、アンタッチャブルの2人とはどんなやりとりがありましたか?

打ち合わせは4月末に1回だけ、それもスケジュールの都合で正味1時間くらいしかなかったのですが、レギュラー当時のスタッフとも久しぶりに会って、打ち合わせもそこそこに昔話に花が咲きました。2人の雰囲気もレギュラー当時と変わらなくて。10年ものブランクがあったようにはまったく感じませんでした。

――2人にとってもシカマンは特別な存在だったのですね。

そうあってほしいです(笑)。2人とも、10年前にした番組の内容を覚えていました。僕はだいたい忘れちゃうんですけど(笑)。また、「(レギュラー放送)最終回の内容をもう一度聴きたい」と、番組への思い入れを感じました。

■悩んだ末にたどり着いた「番組構成」

――10年ぶりのシカマンのディレクター、今村さんとしてはどんな気持ちですか?

アンタッチャブルがコンビとして復活してほしい、アンタッチャブルの漫才を見たいという思いはみなさんと同じで持っていました。「いつか復活したらいいな」と、もっともっと先のことだと思っていた矢先の電撃復活だったので本当にびっくりしましたし、まさかシカマンの最終回ができると思っていなかったので本当にうれしいです。

実はそのぶん、プレッシャーも大きいです。リスナーのみなさんに10年待っていただいたうえでの最終回ですから。楽しみにしていただいている、その期待に応えられるかどうか、という緊張もあって番組構成はギリギリまで悩みました。

――悩みに悩んだ番組構成、最終的にどんな着地点となりましたか?

最初スタッフとの打合せでは、コーナーとトーク、そしてリスナーからのメールで、と決まったんですが、そのあと自分だけがもっといろんなことをやったほうがいいのかな、と悩みはじめました。最終的に当初の予定どおり、投稿コーナー2つ、2人のトーク、そしてリスナーからのメールという構成になりました。

レギュラー放送時はいつも「シカマンテーマ」としてメールを募集していて、2人はそれを題材にトークするのも楽しみにしていました。今回は10年ぶりなので当時のリスナーからもたくさんメールが届くと思うので、2人はもちろんですが、スタッフもとても楽しみにしています。そして初めて聴くリスナーからもメールたくさん送ってほしいです!

■「どんなトークを繰り広げるか、生放送までわからない」

――新型コロナウイルスの感染拡大を受けて各局ではリモート出演などの対策が取られていますが、今回シカマンはどのような形での放送になるのでしょうか。

この時勢ですのでリモート出演という選択肢もありましたが、1人がスタジオにいて、もう1人が違う場所にいて…というわけにもいかないなと。

今回はアンタッチャブルの2人が向き合ってしゃべることにこそ意味があると思うので、アクリル板や消毒など十分な感染防止策を徹底したうえで、2人そろってTBSラジオのスタジオから放送します。

――10年ぶりのシカマンで繰り広げられる2人のトーク、本当に楽しみです。

当日2人がどんなトークを繰り広げるか、生放送が始まるまで本当にわかりません。僕らスタッフはもちろん、山崎さんも柴田さんもお互いが何を話すかまったく知らない状態でスタジオに入ります。

――それはドキドキしますね…!

レギュラー放送のころから、事前の打ち合わせはほとんどしていなかったんです。僕たちが「今日はどんなネタの話するの?」と聞くこともないですし、2人が事前に話すことも一切ないです。どういう展開にしていくかという打合せすらないので、オープニングでどっちが先に口火を切るかすらもわからない――。それをいつも楽しみにしていました。今回も、そういうトークがあったらいいなと思っています。

何を話すかはお互いの頭のなかにしかなく、スタッフも含め本番になって初めてわかるという状況で生放送に臨むので、リアルタイムで聴いていただくと一緒にそのドキドキを味わっていただけるかと思います。最終回だけど、本当に2つのコーナー以外はどんな放送になるのか、僕らにもまったくわかりません。

■「10年ごしの最終回」は何を意味するのか

――レギュラー時を知らない「新規」のリスナーさんも今回はたくさんいるかと思いますが、改めてみなさんに向けたメッセージをお願いします。

テレビにもたくさん出演していますし、アンタッチャブルの面白さはすでにみなさんもご存知と思います。が、「ラジオのアンタッチャブル」は、テレビとはまた違った面白さがあるんです。ぜひ、そこを楽しんでいただけたらと。

――今回の「最終回」、実は新たな番組に向けた布石なのではと思っているのですが…。

今回の放送は「次につながる放送」ではまったくありません。2人がコンビを復活したことで、10年前にやりたかった「本当の『シカマン最終回』」ができる―― 今回は、ただこれに尽きます。ですので、リスナーのみなさんもそのつもりでお聴きいただけたらと思います。