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薄刃包丁おすすめ11選|刃の形状や素材ごとに選び方を徹底解説【包丁の研ぎ方も】

【この記事のエキスパート】

フードコーディネーター:加治佐 由香里

フードコーディネーター:加治佐 由香里

日本フードコーディネーター協会理事。2000年よりフードコーディネーターとしての仕事をスタート。現在、1級フードコーディネーターとして、商品開発、レシピ開発、スタイリング・撮影、食イベントの企画運営、講演会講師、料理教室講師など、食に関する業務に広く携わり、「食の楽しさと大切さ」を伝えています。新しいもの、便利なものを取り入れながら、古き良きもの、伝統的な食文化も重んじるのが私のスタイル。ここでは、豊かなフードライフスタイルの実現に向けて提案を行っていきたいと考えています。

【資格等】
フードコーディネーター1級、香蘭女子短期大学非常勤講師、だしソムリエ協会認定講師、ジャパンテーブルアーチストアカデミー認定講師、博多阪急百貨店料理教室講師、食生活アドバイザー、食空間コーディネーター、ティーコーディネーター、卓育インストラクター、味わい教育インストラクター等

日本フードコーディネーター協会HP


板前さんならだれもが使う和包丁のひとつ「薄刃包丁」は、野菜切りに特化した片刃包丁です。しかし、薄刃包丁を選ぶとなると「東型」「鎌形」など聞き慣れない用語が使われています。この記事では、選び方とおすすめ商品をご紹介します。

プロの料理人も野菜の千切り・桂むき・飾り切りに使う
薄刃包丁とは?

「薄刃包丁」の特徴は、野菜切りに特化していて、その薄い刃が繊維を壊さずに野菜に入るため、野菜の千切り・大根の桂剝き・飾り切りが得意。野菜の処理のしやすさが強みです。和食の調理人が最初に覚える包丁が、薄刃包丁だといわれています。

野菜を切るための包丁として「菜切り包丁」もありますが、「菜切り包丁」は両刃で、「薄刃包丁」は片刃という点が異なります。片刃の場合、切れ味が鋭く、野菜をよりうすく切ったり細工をしたりしやすいです。ただし、刃が薄い分、刃こぼれしやすいため、使いこなすにはなれや技術が必要で初心者向きとは言えない包丁になります。また、定期的に研がないとすぐに切れ味が落ちてしまいます。

そのため薄刃包丁は、野菜を繊細にかつ大量に調理する料理人に愛用されています。

片刃の薄刃包丁と両刃の菜切り包丁の違いを解説

先程もお伝えした通り、野菜を切るのが得意な包丁には、薄刃包丁と菜切り包丁があります。両者の違いである「片刃」と「両刃」について解説します。

薄刃包丁は「片刃」:両刃に比べて刃がよく食い込み、切れ味が鋭いです。ただし、切ろうとするものに対して斜めに刃を入れる必要があり、扱いは少し難しいと言われています。

菜切り包丁は「両刃」:葉が両側にあるため、片刃よりもかけにくく、切るものに対しても刃をまっすぐいれることができ、初心者~上級者まで扱っている包丁です。

刃の形状、素材、刃渡りの長さ、重さをみる
薄刃包丁の選び方

薄刃包丁の選び方にはいくつかポイントがあります。まず、形状が大きく2種類に分かれており、それぞれの強みが異なるので要チェックです。素材も2種類あり、刃渡りの長さも調理する食材によって異なります。

順番に説明するので、ひとつずつポイントをおさえていけば、あなたに合ったの薄刃包丁が選べるでしょう。

形状で選ぶ

薄刃包丁には、刃の形が2種類あります。その形状の違いで呼び名も異なっています。ひとつは関東を中心に使われている「東型」で、別名「江戸型」としても知られています。

もうひとつは関西で使われている「鎌形」。それぞれ見た目も違いますが、強みも異なります。

「東型」「鎌形」の特徴をご紹介します。

野菜の千切りや刻みが得意な「東型」

ナスコム『左頼光 越前墨流し 薄刃包丁』:

出典:Amazon

「東型」の薄刃包丁は刃の先端が四角いです。ぱっと見たところ、菜切り包丁や中華包丁に近い形をしていますが、この形状は刃全体に均等に力が入るので押し切りがしやすいです。そのため千切りや刻みものがどんどん進みます。

刃先が尖っていないため、大根の桂むきも恐怖心を感じることなくできます。安全に桂むきをしたい方、野菜をこまかく大量にもじん切りしたい方におすすめです。

飾り包丁も! こまかい作業が得意な万能型「鎌形」

堺一文字光秀『白鋼 霞研 鎌薄刃包丁』:

出典:Amazon

「鎌形」の薄刃包丁は刃の背が丸くなっていて刃の先端が尖っています。鎌の刃に形状が似ていることから「鎌形」という呼び名がつきました。いわゆる三徳包丁に見た目が似ています。尖った先端部分を使って繊細な飾り切りなど、こまかい作業がしやすいです。

また、種を取ったり中身をくりぬいたりと幅広く使えます。たいていのことができる万能型なので、オールマイティに野菜を調理したい方におすすめです。

素材で選ぶ

一般的な包丁と同じように薄刃包丁には「鋼製」と「ステンレス製」の2種類があり、それぞれ長所・短所も違います。素材ごとの特徴を把握しておくと、ご自分に合ったチョイスもしやすいですよ。

「鋼製」はお手入れ必須だけど切れ味抜群

包丁どっとこむ『堺松翁作 霞安来鋼 鎌形薄刃包丁』:

出典:Amazon

「鋼(はがね)製」の薄刃包丁は切れ味が抜群です。今までに体験したことのないような切れ味の良さで、かたい野菜もカンタンに美しく切れます。その反面、お手入れをしっかりしていないとサビやすいという弱点があります。扱いをていねいにしないと刃こぼれもしやすいです。

しかし、一定のメンテナンスを忘れなければ、長く使い続けられます。スパッとした鮮やかな切れ味の包丁を使いたい方は鋼製がおすすめです。

「ステンレス製」はサビに強くて刃持ちがいい

正広『MSC MS-400 薄刃型(11044)』:

出典:Amazon

「ステンレス製」の薄刃包丁はサビにくく刃こぼれしない丈夫さが特徴です。一般に鋼製よりは切れ味は落ちるといわれています。しかし、最近では高級素材のステンレス製も多く、切れ味も鋼製に負けず劣らずの商品も増えました。

また、ステンレス製は誰にでも使いやすいといわれています。はじめて薄刃包丁を使う方や、自分の腕にまだ自信がない方にはステンレス製がおすすめです。

刃渡りの長さで選ぶ

薄刃包丁は刃渡りの長さもいろいろあります。刃渡り15~30cmの範囲で、0.5~1cm間隔でサイズ展開されているものが多いです。刃渡りの長さによって、適した野菜や作業が異なります。

刃渡りサイズを日本独自の単位「寸」を使う場合もありますのでご注意ください。1寸は約3cmと換算できます。ここでは代表的な5〜7寸サイズについて紹介していきます。

フルーツや小さい野菜には5寸(15cm)がおすすめ

富士カトラリー『成平 #8000口金付モリブデン特殊鋼 薄刃 160mm (FC-49)』:

出典:Amazon

果物や小さめの野菜の皮むきには5寸(15cm)程度の刃渡りが適しています。ペティナイフと似たような刃渡りの長さですね。

小さいものの皮むきがカンタンにできるのはもちろん、細工もしやすいです。ねじり梅など日本の伝統的な飾り切りから、西洋の華やかなフルーツカッティングまで幅広く対応できます。

幅広い野菜に対応している定番サイズの6寸(18cm)前後

青木刃物製作所『堺孝行 霞研』:

出典:Amazon

人や商品によって差はありますが、多くの方が使いやすいと感じる定番サイズが6寸(18cm)前後です。スーパーで手に入るような野菜であれば大体のものにでも対応できます。

用途を限定せずに毎日のお料理に役立てたい場合は、6寸サイズがおすすめです。手が小さめの方でも安心して使えます。千切り・刻み・皮むき・飾り切りなどをいろいろな野菜でカンタンにこなせますよ。

大根など太さのある野菜には7寸(21cm)を目安に

兼松工業『兼松作 特撰 鎌型薄刃庖丁』:

出典:Amazon

大根など太い野菜をよくカットするという場合は、7寸(21cm)が使いやすいです。これ以上の長さの刃渡りになると、使いづらさを感じることもあるでしょう。この7寸サイズは太さと固さのある野菜をスパッとらくに切れます。

太さ・硬さのある野菜を切るときは力が必要になり、切り口の角がつぶれがちです。そこで、刃渡りが長めの薄刃包丁を使うと力をいれずに美しく切れます。ぜひご検討ください。

重さも確認しよう

貝印『関孫六 銀寿本鋼 和包丁 薄刃(AK-5212)』:

出典:Amazon

薄刃包丁の重さ確認も大切なポイントです。一定の重さがないと、かたいものを切るときに力が必要です。一方で、重すぎると使っていて疲れてしまいます。同じ素材で作られた同じ長さの刃渡りの包丁であっても、刃の厚みや柄の素材の違いで重さが異なる場合もあります。

お手持ちの包丁・ナイフ類で、ご自身にとって使いやすい重さを確認しておくと、購入の際に役立ちますよ。

片刃だから利き腕あり! 左利きの人は注意!

藤次郎『TOJIRO PRO DPコバルト合金鋼割込 薄刃(F-894)』:

出典:Amazon

薄刃包丁に関して、ひとつ忘れずに確認してほしい点があります。薄刃包丁は刃を薄くするために片刃になっていることが多いため、右利き用の薄刃包丁は刃が包丁の左側に、左利き用は刃が包丁の右側に位置します。

もし、自分の利き手とは逆の包丁を使うと手を切ってしまうかもしれません。薄刃包丁の多くが右利き用なので、とくに左利きの方は事前にご確認ください。メーカーによっては左利き用も作っていたり、注文に応じて左利き用を作ってくれたりすることもあります。

フードコーディネーターがアドバイス
切れ味なら鋼製、お手入れのしやすさはステンレス製

【エキスパートのコメント】

日本料理を彩る野菜の飾り切りは和包丁の一つ、薄刃包丁のなせる業です。選ぶときには刃の形状をチェックしましょう。

長方形の刃をもつ東型は大根の桂むきや千切りに向き、刃先が尖った鎌型は細工などの作業に適しているので、主な用途を考えて。

刃の材質は、切れ味を求めるなら鋼製を、お手入れの容易さを優先するならステンレス製を選ぶとよいでしょう。

鋼製はお手入れに技術と手間を要しますが、切れ味が持続し長く使えます。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)