デルとEMCジャパンは4月27日、2020年3月に全国の中小企業(従業員数1~99人)の経営者及び会社員2197人に対して実施したテレワークに関する調査結果を発表した。これによると、テレワークを導入していない中小企業は9割近くを占め、業種別では運輸業が導入率が最も低かった。

テレワークの導入状況を尋ねたところ、「導入していないが、検討している」が14%、「導入しておらず、検討もしていない」が73%であり、調査時点でテレワークを導入していないという企業が87%に上った。

  • 中小企業のテレワーク導入状況

導入済という回答者の勤務先を業種別に見ると、情報通信業が32%と最も多く、金融・保険業(17%)、サービス業(15%)が続く。最も少なかったのは、運輸業で3%だった。

  • 業種別の導入状況

勤務先がテレワークを導入している回答者に導入して良かった点の上位3つを聞くと、「移動時間など時間の短縮になる」を1位に挙げた人が最多で43%だった。以下、「作業に集中できる」(29%)、「自分のペースで仕事ができる(時間配分ができる)」(11%)と続く。

  • テレワーク導入のメリット

一方、導入して悪かった点の上位は、「社内コミュニケーションがとりづらい」を1位に挙げた回答者が56%と最も多く、「作業に集中できない」「外部とのコミュニケーションが取りづらい」「勤怠管理(きちんと勤務しているのか把握しづらい、部下の仕事の進捗や状況が分かりにくい)」「プライベートと仕事の時間の切り分けが難しい」がいずれも11%で続いた。

  • テレワーク導入のデメリット

勤務先がテレワークを導入していない回答者に導入の障壁を聞いたところ、「事業の内容により導入が難しい」が53%と半数以上を占めた。

それ以外の要因では、「テレワーク環境(パソコン、セキュリティ、ネットワーク環境、ソフトやツールなど)の整備」が21%と多く、「予算」(10%)、「知識・何から始めてよいのかわからない」(9%)、「手が回らない、担当者不足」(8%)が続く。

  • テレワーク導入の障壁

緊急時や災害時の事業継続において課題となった点を尋ねると、「外部との打ち合わせ」との回答が34%で最多だった。「通勤」と「テレワーク環境の整備」がいずれも16%で続き、「セキュリティの確保」や「ネットワーク環境」との回答も一定数あった。