走り:ヤリスのハイブリッドは「GTカー」の雰囲気
新開発の1.5リッター3気筒エンジン(91ps/120Nm)+THS-Ⅱハイブリッドシステム(80ps/141Nm)+リチウムイオンバッテリーの組み合わせとなるヤリスのHVは、先代から30%ほどパワーが向上。「TNGA」の「GA-B」プラットフォームによって40キロほど軽くなったボディと硬めのサスペンションの効果も相まって、しっかりとしたGTカーのような走りを見せてくれる。燃費は実測(満タン法)で31km/L前後を記録した。
一方、フィットのHVはホンダ独自の1.5リッター4気筒エンジン(98ps/127Nm)+2モーター(109ps/253Nm)の「e:HEV」システムを搭載し、基本的にはモーター中心で走行する。街中ではEV(電気自動車)然としていて、静かでとてもパワフルだ。燃費は23~24km/Lで、ヤリスにちょっと差をつけられた。
ガソリンモデルについては、120ps/145Nmの新開発1.5リッター3気筒を搭載するヤリスに対し、フィットは98ps/118Nmの1.3リッター4気筒。車重もヤリスの方が70キロ軽い1,020キロなので、フィットはかなわない。燃費はヤリスが18.3km/L、フィットが15.6km/L。ただし、エンジンを高回転まで回した時は、“ホンダミュージック”(エンジン音)が堪能できるフィットの方が楽しい。
安全運転支援システム:ヤリスの駐車支援が使いやすい
高速道路で「ACC」を試してみると、両車ともレーントレーシングアシストが機能するので、巡航中の作動状況はほぼ同じだった。差が出たのは渋滞時で、ヤリスはパーキングブレーキが機械式なので、時速30キロ以下で追従がキャンセルされてしまう。一方のフィットは電気式を採用しているので、ノロノロ運転にも対応可能だ。ACCを作動させる機会が多い渋滞時において、「使える」か「使えない」かの差は大きいと思う。
ヤリスの注目すべき点としては、レーダー、ソナー、カメラを組み合わせた上級モデル並みの自動駐車システム「アドバンストパーク」を搭載していることが挙げられる。実際に試してみると、コンパクトなサイズをいかして素早く駐車が終了するので(両側にクルマが停車していないクリアな状態で40秒~60秒)、これは使えそうだ。並列と縦列で停車位置を変えるなど、細かな制御もできていて感心した。