女優の風吹ジュンが、11日に放送されたMBS・TBS系トーク番組『サワコの朝』(毎週土曜7:30~8:00)にゲスト出演し、女優・樹木希林さんに救われた過去を打ち明けた。

風吹ジュン

風吹ジュン

1974年に歌手デビューするも、アイドル歌手としての活動に違和感を抱いていた風吹。事務所を辞めることを決意していた頃、TBS系ドラマ『寺内貫太郎一家2』に出演したことがきっかけで女優の道が開ける。「面白い子がいる」と風吹を推薦したのが樹木さんだった。

ところが、風吹は何者かによるトラブルに巻き込まれ、悪質な嫌がらせをされたことも。ある日の撮影現場で、狭い部屋に演出・久世光彦さんと樹木さん、風吹の3人が呼び出され、見ず知らずの男から「この女は人のものを盗むし、嘘つきで悪い女だ」などと罵詈雑言を浴びせられる。自分の女優人生は「終わった」と諦めた風吹だったが、男がその場を去ると、樹木さんは「よく耐えたわね……」と涙を流したという。

風吹は当時を思い返し、「ホロっと涙を流されて『よく耐えたわね』とおっしゃった時に『ついていこう』と思いました。『ここだわ、生きるところは』って」。その後も家賃が払えないほど困窮する風吹に、樹木さんは銀行員を紹介するなど援助を惜しまなかった。

風吹は、「若い方に対して特に愛情がある方。『その人をどうしたらそこから救えるのか』ということをいつも思っていらっしゃった。人を救う心、観音様的な力があって見守ってくださる」とその人柄を形容し、「その慈悲深さは、それまでお会いしたことはなかったです」と在りし日の姿を思い浮かべていた。