JR東海はこのほど、2020年度の重点施策について発表した。中央新幹線への3,800億円を含む7,180億円(連結ベース)の設備投資を行うことを明らかにした。
中央新幹線は測量・設計・用地取得を計画的に進めるとともに、工期が長期間にわたり難易度が高い南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅のほか、山岳トンネルや都市部非常口、中間駅などについて、各種工事を着実に進める。高架橋工事にも着手するほか、都市部トンネルの建設に向けてシールドマシンの製作と現地での組み立てなどを行う。
超電導リニア技術のさらなるブラッシュアップにも取り組み、山梨リニア実験線に改良型試験車を投入。営業車両の仕様策定に必要なデータ取得のため、走行試験に専念する。あわせて営業運転に対応した保守体系の確立に向け、これまでの開発成果の実証等を進め、営業線の建設・運営・保守のコストダウンへの取組みを一層強化する。
東海道新幹線は、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して需要に合わせた弾力的な列車設定に取り組むとともに、次期新幹線車両N700Sの営業運転を7月から開始する。
ホーム可動柵の設置も進め、東海道新幹線では新大阪駅23・24番線で使用開始するとともに、在来線では金山駅の東海道本線ホームへの設置を進め、上り線で使用開始する。自由通路新設と駅舎改築の計画も進め、桑名駅と蟹江駅で順次、使用開始する。刈谷駅ではホームの拡幅と可動柵設置などの改良に向けた準備工事を進める。
関連事業としては、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーの一体的な運営をさらに充実させ、相乗効果を発揮することで収益の拡大を図る。東京地区では、東京駅で「東京ギフトパレット」、有楽町~新橋間で「日比谷グルメゾン」を開業する。