NHK出版は3月10日、NHKスペシャル取材班が描き出した著書『ミッシングワーカーの衝撃 働くことを諦めた100万人の中高年』を発売した。

  • NHK出版『ミッシングワーカーの衝撃 働くことを諦めた100万人の中高年』(本体価格800円)

    NHK出版『ミッシングワーカーの衝撃 働くことを諦めた100万人の中高年』(本体価格800円)

同書は、2018年6月2日に放送されたNHKスペシャル「ミッシングワーカー 働くことをあきらめて…」をもとに、取材班が追加取材を行い、「ミッシングワーカー」問題の背景から解決の糸口までを描き出した一冊。

「ミッシングワーカー」とは、働かず、仕事を求めず、親の年金に依存して暮らす「隠れ貧困層」のことで、主に40代~50代の中高年層に多いという。雇用統計上、求職活動をしていない人は「失業者」に反映されずに労働市場から「消えた」状態になることから、「ミッシング(消えた)ワーカー(労働者)」と呼ばれ、日本でも、半年以上ひきこもり状態にある40歳~64歳のミッシングワーカーが、推計61万3,000人(内閣府平成30年度発表「生活状況に関する調査」)いるという。

同書では、そんな「ミッシングワーカー」への密着取材を通して、働き盛り世代である中高年がなぜ落ちこぼれていくのかを解説。また、誰にでも可能性がある「脱落」のリスクや、彼らを生み出す社会的要因を知り、そこから彼らを再び社会の中に呼び戻すために何ができるのかを考える。

第一章「『ミッシングワーカー』とは何か」、第二章「労働者はいかに社会から『消える』か」、第三章「脱落するリスクは誰にでもある」、第四章「専門家の視点から構造要因に迫る」、第五章「『ミッシングワーカー』を脱するために」で構成されており、224ページ、価格は880円(税込み)。