レノボ・ジャパン、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、NECパーソナルコンピュータ、モトローラ・モビリティ・ジャパンの4社は3月11日、4社合同の「全社一斉テレワーク・デイ」実施した。

  • ほとんど社員のいない3月11日のオフィス

全社テレワーク・デイは、2016年から毎年3月に実施しているもので、今年で5回目。同社は2016年からテレワーク・デイズにも参加しているので、ここ数年は年に2回全社一斉のテレワークを実施している。

テレワーク・デイは、実施後のアンケートによって課題を浮き彫りにするという目的もあるが、社員に慣れてもらうという意図もあるという。

NECレノボ・ジャパングループ ワークスタイル・エバンジェリスト 元嶋亮太氏は、「1回だけでは働き方は変わらない。テレワーク・デイなどを何度も実施することにより、(テレワークに対する)親和性を高めることができる。テレワークが会社のカルチャーになっていることが重要だ」と語る。

  • オンライン会議で参加したNECレノボ・ジャパングループ ワークスタイル・エバンジェリスト 元嶋亮太氏

同社は以前、週1回のテレワーク制度を設けていたが、ほとんど利用されなかったため、2015年に無制限のテレワーク制度を導入した。また、今回の新型コロナウイルスの国内感染の拡大にあたり、2月25日に政府見解を受け即日「原則テレワークを推奨」の段階へと移行した。

  • レノボ・ジャパングループの無制限のテレワーク制度

新型コロナウイルス対応前のテレワーク利用率は、月1回以上利用する社員のおよそ6割になっている。そして、2月25日の「原則テレワークを推奨」以降は一気に利用率が増え、3月4日には70%がテレワークを利用しているという。ちなみに、今年のテレワーク・デイへの参加率は86%。

  • 「原則テレワークを推奨」した以降のテレワーク利用率

元嶋氏はテレワークを普及するためのポイントとして、「テレワークでできる業務を増やしていくこと」を挙げ、その上で、制度、インフラ、コミュニケーションの充実が重要だとした。

  • レノボ社内でのテレワーク向け配布機材。モニターやヘッドセットも配布。元嶋氏はヘッドセットは費用対効果が高いと指摘した

利用に消極的な上司もいるが、同社では利用率の社内調査を公表することで、利用の低い部署の利用率が向上したという。

現在、同社はVPNによる接続でリモートワークを実現しているが、今後はOffice 365などのクラウドサービスに関しては、セキュリティを担保した上で、ダイレクトアクセスも認めていく方向だという。

NECパーソナルコンピュータ 代表取締役執行役員社長 兼 レノボ・ジャパン 代表取締役社長 David Bennett(デビット・ベネット)氏は、テレワークの定着によって、生産性の向上、ワークライフバランスの改善、BCP対策、採用の効果が期待できるとした。

  • NECパーソナルコンピュータ 代表取締役執行役員社長 兼 レノボ・ジャパン 代表取締役社長 David Bennett(デビット・ベネット)氏

  • テレワークの定着によって実現できること

また、コミュニケーションについては、すべてをテレビ会議を行うのではなく、出社して直接顔を合わせることも必要で、このバランスをとる柔軟性が重要だとした。