日本コカ・コーラの事業戦略発表会が先日都内で行われた。発表会では炭酸飲料市場を取り巻くトレンドなどを踏まえ、2020年における炭酸カテゴリー事業の主要ブランドでの取り組みを紹介。同社の10代から人気コアブランドのひとつであるファンタから、30代~40代をターゲットにした「ファンタ プレミアグレープ」を発表した。

  • 日本コカ・コーラが2020年炭酸カテゴリー戦略発表会を開催

東京2020オリンピックのデザインボトルを展開

日本コカ・コーラの島岡芳和氏は冒頭、増加する単身世帯など少人数世帯や30代以上の、アダルト世代の飲用ニーズへの対応の重要性を指摘。特にティーンエイジャーにおけるオリンピックへの期待の高まりに言及し、オリンピック聖火リレーのプレゼンティングパートナーを務める同社の、これまでの東京2020オリンピックを見据えたキャンペーンなどを紹介した。

そうした施策の一環として、3月26日に始まる聖火リレーを目前に控えた3月9日より、コカ・コーラは2つのパッケージデザインを展開。オリンピック競技への関心を高めていく「競技デザインボトル」と、「オリジナル リストバンドボトル」を全国で期間限定販売する。

  • 「コカ・コーラ」東京2020オリンピック デザインボトル

  • 「オリンピック 競技デザインボトル」

オリジナル リストバンドボトルは、ラベルを切り取るとリストバンドになるというのもので、ラベルの裏側には9種類のデザインが施されている。各日の最終聖火ランナーの到着を祝うイベント会場にある「コカ・コーラ」ブースなどにこのリストバンドを持っていくと、先着100名にシリコン製のオリジナル記念リストバンドをプレゼント。

また、リストバンドに記載されたバーコードを公式スマホアプリ「Coke ON」のカメラで読み取ると、オリジナルのキャッシュレス決済機能付きリストバンド(1,000円付)が当たるプロモーションも実施するという。

  • 「オリンピック オリジナル リストバンドボトル」

オリジナルリストバンドボトルについて、島岡氏は「欧米では導入の実績があり、非常に大きな反響を呼んでいます。日本では初導入となる新技術を用いたラベルで、単にデザインを楽しむだけでなく、ラベルをきっかけにオリンピックのプログラムに参加し、楽しんでいただける施策になっています」と語った。

  • 先着100名にシリコン製のオリジナル記念リストバンドをプレゼントするキャンペーンも

大人向けのプレミアムなファンタが新登場

発表会では、30代以上の消費者の多くに共通する嗜好や消費行動に着目して生まれた、大人のためのファンタ「ファンタ プレミアグレープ」もお披露目。3月2日から全国で発売開始となる。

  • 「ファンタ プレミアグレープ」

ティーン世代の飲み物というイメージも強いファンタだが、「ファンタ プレミアグレープ」のアンバサダーには、30代以上の大人に幅広く支持される俳優の永山瑛太さんと松田龍平さんを起用。

商品は収穫してから24時間以内のぶどうから絞った果汁と、果肉をすりつぶしたピューレを使用した、ファンタ史上最高の果汁13%を誇る大人向けのファンタで、“自分が価値を認めたものにはお金を払う”というマインドを持つ層にアプローチするという。

  • 大人のためのファンタ「ファンタ プレミアグレープ」は3月2日発売

島岡氏はこの新製品の開発背景について、「炭酸飲料市場には様々なセグメントがありますが、我々がフルーツ炭酸と定義している市場は2015年以降、市場規模が少しずつ縮小しています。炭酸を楽しく、美味しく飲むという体験に密接につながるフルーツ炭酸の市場で、特に30~40代の方の消費が減ってきています」と説明。

「大人向けのファンタ・フルーツ炭酸は今まで何度かやったことがありますが、高果汁で新鮮な果汁を絞って美味しさの元になるピューレをしっかり贅沢に使うことで、フルーツ炭酸の美味しさをさらに一段引き上げました。事前の消費者調査ではファンタとしては今までにない一般的な新製品の平均値を大きく上回るレベルの高い評価を受け取っています」と、自信をのぞかせた。

商品は炭酸飲料ながら、しばらく置いておくとピューレが分離し下に沈んでしまうため、飲む前にゆっくりとボトルをひっくり返すようにしてピューレを混ぜ合わせてから飲むというのも特徴のひとつである

  • 日本コカ・コーラ・島岡芳和氏

新たな殺菌方法やピューレの品質を担保する新技術を導入した製造ラインによって実現したその味は、フレッシュで濃厚な味わい。炭酸の刺激も大人向けで、ぶどうのしっかりとした甘みが伝わってくるので、仕事の合間のリフレッシュにも活用できそうだ。