俳優の高橋克典が主演を務めるテレビ朝日系ドラマスペシャル『庶務行員・多加賀主水』の第4弾が、2月16日(21:00~23:05)に放送される。

第1弾からの変化について、「茫洋とした感じにして、脚本になじませるようなキャラに変えて。ふつうの2時間ドラマの感じにしました」と笑顔で明かす高橋。今回は炎のアクションシーンもあるとのことで、そのシーンを振り返り、自身も出演する『麒麟がくる』第1話と「くしくも同じで、かぶりました」と語る――。

■本当に王道の2時間ドラマ通りに進んでいく

  • 左から高橋克典、夏菜

    高橋克典、夏菜 -テレビ朝日提供

――今回、第4弾となりますが、放送決定を聞いたときはいかがでしたか。

第3弾のときが、野球(『世界野球プレミア12』)の中継延長で放送時間がずれ込んだんですよ。本来の視聴者の方だけでなく、中継の流れで今までドラマを見てなかったちょっと若い層も見てくれたみたいです。

――第1弾からの変化はありますか。

第1弾は朝の放送(日曜10:00~)だったんです。「じゃあ、どういう世代がテレビ見るんだ」と考えたときに、戦隊モノの前後なので、おじいちゃんおばあちゃんと孫が一緒に見れる、というのを想像しながらやっていました。

そして放送時間が夜に落ち着いて、当初考えていた役作りで、台本とか時間帯にどうも効果がないと思ったところは一気に変えました。パキッとした感じのキャラを浮き立たせようと思ってはじめやっていたんですけど、もうちょっと茫洋とした感じにして、脚本になじませるようなキャラに変えて。ふつうの2時間ドラマの感じにしました(笑)。

――「2時間ドラマ」という放送枠についてはいかがでしょうか。

2時間というと、いろんなことができますよね。日本の2時間ドラマというのは、携わってきた人たちの試行錯誤の上に出来上がりました。今、2時間ドラマが減っているなかで、ファンだった方が楽しんでいただけたらいいなという思いでやっています。

本当に王道の2時間ドラマ通りに進んでいくので、2時間ドラマを好きな方、また新しい作品として楽しんでいただけるようになるといいなと思いやっています。

■夏菜は「親戚の姪っ子のような感じも」

――第4弾でも夏菜さんとコンビを組まれますね。

夏菜さんとはもうずいぶん長いし、彼女のデビュー作(『ガチバカ!』)からちょこちょこと共演しています。親戚の姪っ子のような感じもあって、仲良くさせてもらってます。

2時間ドラマって、家族的なというか、近所の人みたいな仲の良い人が出てきたりするじゃないですか。そういう意味では、コンビとして出来上がっているのかなと。あの子も非常に明るい、屈託のない性格なので、現場も明るくしてくれるし、楽しくやっています。

――キャバクラ店潜入シーンでは、『ガチバカ!』と同じ店を撮影で使ったそうですね。夏菜さんは「まさに“運命”ですね」とコメントしてました。

そういえばそうだったかなと。よく使う場所ということもあって、僕は全然覚えてなかったです(笑)。

――そうなんですね。第4弾でも前回に引き続きアクションは健在です。

非常にベタな感じで、エンターテインメントしてます。アクションは原作にもあったんですけど、映像にしてみると、唐突かなと第1弾では抜いてました。でもどうもストーリーが締まらないから、昔からの時代劇の形式美みたいな形で戻そうよと。結構とってつけた感じがあったなと思っていたら、意外にもご好評いただきました。

――そして、今作では炎の中から人物を救出するシーンもあるんですよね。

くしくも、そのシチュエーションは『麒麟がくる』第1話と同じで、かぶりました。「あー、長谷川(博己)君はこんなふうにして助け出したんだな。こんな抱き方で助けたのか」と思って第1話を見てました(笑)。

■“心の闇”は「すごくいっぱいあります」

――第4弾には、主水が「人間誰でも心の闇を抱えている」と語りかける場面もありました。高橋さん自身にも心の闇はありますか。

それはすごくいっぱいありますし、日々それと闘いながらいるかなと思ってます。ずっと負けたりしてた時期もありますが、長年向き合っているので、もう取り込んじゃっている部分もある気がします。

――アクションをするうえでも、かなりトレーニングをされているのではと思います。

やってたんですけど、年末は本当に忙しくて、トレーニング行く時間もなかったですね。自分を整備する時間が一切なかったです。そんななかでのアクションはちょっときつかったですね。つくづく自分の身は自分で守っていくしかないなと、今回アクションをやりながらあらためて思いました。

――今回は第4弾でしたが、第5弾以降の続編への思いをお聞かせください。

続けばいいなと思っていますが、こういうのは1回1回が勝負です。見てくださって「面白い」と言ってくれたら、次があるので。今回は、かつての2時間ドラマの主役の人のリズムをすごく意識してやっています。エンターテインメントとして爽快感、謎解きとか、すべてひっくるめて楽しんでいただけたらと思います。

  • ■『ドラマスペシャル 庶務行員・多加賀主水4』(テレビ朝日系 2月16日21:00~23:05)
    高橋克典主演の痛快銀行ミステリー第4弾。庶務行員・多加賀主水VS謎の放火魔!? 街の嫌われ者たちが次々と被害に遭う、連続放火事件が発生。やがて明らかになる、放火の裏にある巨大陰謀…銀行の”雑用係”が巨悪に立ち向かう。

■高橋克典
1964年12月15日生まれ、神奈川県横浜市出身。O型。1993年に「抱きしめたい」で歌手デビュー。その後、『サラリーマン金太郎』シリーズ(TBS系)、『特命係長 只野仁』シリーズ(テレビ朝日系)など数多くの作品に出演。近年の出演作は『不惑のスクラム』(NHK 2018年)『後妻業』(関西テレビ・フジテレビ系 2019年)など。大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK)にて、織田信秀役で出演中。