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【この記事のエキスパート】
唎酒師/日本酒ライター/コラムニスト/蔵人/フリーランス女将:関 友美

唎酒師/日本酒ライター/コラムニスト/蔵人/フリーランス女将:関 友美

日本酒アドバイザーや飲食店勤務を経て、現在は「とっておきの1本をみつける感動を多くの人に」という想いのもと日本酒の魅力を発信するさまざまな活動をおこなっている。

記事執筆、セミナーや講演、酒蔵での酒造り、各地の酒場での女将業など、あらゆる場所、あらゆる手段で日本酒の美味しさと日本文化の豊かさ、日本の各地方の魅力を伝えている。


本記事では、富山の日本酒の選び方とおすすめ商品をご紹介します。富山県には名水と呼ばれる水源が多く、「山田錦」「五百万石」といった酒米の生産も盛んな、日本酒づくりに最適な場所です。様々な日本酒を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ゆったり飲みたいときに!
富山の日本酒の特徴

皇国晴酒造『大吟醸 幻の瀧』:

出典:Amazon

富山は全国で1番多く「名水百選」に選ばれている場所がある県です。環境省が昭和60年に選定した「名水百選」、そして平成20年に選定した「平成の名水百選」で、富山県内からは全国最多の計8カ所が選定されています。

雨や溶けた雪が地中に染みこみ、山の地層によってゴミや汚れがろ過されて、逆にミネラルを含みます。そのため、通り道である地層の性質によって軟水と硬水のどちらになるかなど、どんな水が生まれてくるかが左右されます。

富山県の水はどちらかというと軟水寄りなので、できあがる日本酒は口あたりがやわらかなものが多くなります。ガツンと強い個性際立ったものではなく、ゆったりと飲みたいときに選びたいのが富山の日本酒です。

富山の日本酒の選び方

それでは、富山の日本酒を選ぶときのポイントをご紹介します。ポイントは下記。

【1】味わいで選ぶ
【2】地元で飲まれている日本酒を選ぶ
【3】地域ごとの特徴で選ぶ

上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。

伝統的なスッキリ淡麗か、個性的で新しい味にするか
【1】味わいで選ぶ

【エキスパートのコメント】

富山の日本酒を調べてみると、全般的に「やや辛口」「濃くも淡くもない」という傾向があるそう。これは酒をつくる環境が寒いことや、富山県や新潟県など日本海側の寒い土地でつくる「五百万石(ごひゃくまんごく)」という酒米の性質に由来します。五百万石を使ってお酒をつくるとスッキリとした端麗なお酒ができやすいとのこと。

そして数々のおいしい魚介類が水揚げされる地域なので、それに合わせたお酒が長年好まれてきたのではないかと推測できます。実際、こんぶに対する1世帯当たりの支出金額は常に全国1位です。

しかし近年は今までの富山の日本酒とは違う、個性あるお酒も増えてきています。どちらが今の気分なのか、どんなシチュエーションで飲みたいかによって選ぶとよいでしょう。

【2】地元で飲まれている日本酒を選ぶ

【エキスパートのコメント】

富山でつくられたお酒の、地元地域での流通割合は54.7%(国税庁「清酒製造業の概況」 平成29年度調査分)。この数字は全国的に見てもかなり高く、富山県民がお酒好きであること、または家族や親戚が集まる行事やつき合いで富山の日本酒を味わっていることを証明しています。

日本酒を愛する県民に大切にされ、現代まで生き残ってきた酒蔵というのは、時代に取り残されることなくおいしいものをつくり続けているということがわかります。この結果から味わいへの信頼が持てるのではないでしょうか。

東京市場の人気だけでなく、「地元に愛されるお酒」と紹介されるものにも注目して、選ぶ基準にしてみるとよいでしょう。

【3】地域ごとの特徴で選ぶ

富山県の内部にも、位置する地域によって様々な歴史や特徴があります。ここでは、地域ごとの酒造や特徴をご紹介いたします。

富山地区(中心部)

富山地区は、富山県の中心、富山市に位置する区域。有名な酒蔵も多く、例えば、創業明治26年の桝田酒造店や創業大正5年の富美菊酒造など、歴史が深く、名酒と呼ばれる日本酒を数多く生産しています。

桝田酒造店の「満寿泉」は洗練された味わいから、高級料亭でも提供される日本酒。一方、富美菊酒造の「羽根屋」や「富美菊」などは富山の名水が使われ、”富山らしさ”を感じる一品です。

新川地区(東部)

新川地区は、富山県の東に位置する区域。周りには黒部峡谷や黒部ダムなどがあり、富山の名水を用いた日本酒が有名。

例えば、創業大正14年の「本江酒造」は、富山の名水を使用し、「北洋」を生産。海産物を使った料理によく合うと人気です。さらに、黒部ダム近くには、創業1600年ごろの超老舗「林酒造場」もあり、口当たりが上品な「黒部峡」なども非常に有名です。

高岡地区(西部)

高岡地区は、富山県の西に位置する地区。日本海側に位置しているということもあり、魚料理などによく合う日本酒が多いです。

例えば、明治5年創業の「髙澤酒造場」では、手作りにこだわり、優しい舌触りで料理に合う「曙」などを生産。地元に愛される名酒として人気です。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)