俳優で歌手の木村拓哉がこのほど、主演を務めるフジテレビ開局60周年特別企画ドラマ『教場』(1月4日・5日21:00~)の取材に応じ、今作を通じて警察官へのイメージが変化したことを明かした。

  • 『教場』に主演する木村拓哉=フジテレビ提供

長岡弘樹氏の同名小説が原作の同ドラマは、木村演じる警察学校のカリスマ教官・風間公親が、極限状態を生き抜く生徒それぞれのよこしまな思惑を暴いていくミステリー。木村は撮影の前に、実際の警察学校を訪れたそうだが、今回描かれるドラマとの“誤差”を楽しんでいるという。

「現在は、警察学校に入校してくれた皆さんをいかに最後まで1人も脱落者を出さないように、全員を各々の役割で現場に送り出すか、という現状らしいんですけど、『教場』の原作って、生徒のセリフにも出てきますけど、“ふるいにかける場”なんですよね。(実際と)180度までいかず、120度違うんじゃないかというものになっている中で、原作の強い世界観を映像化する。しかも、何をやっても『モラハラ』『パワハラ』とか言われるこの時代にこの作品を作るんだという筋力がすごいなと思ったので、僕だけではなく、出演者全員、監督をはじめスタッフもみんなそうだったと思うんですけど、その“誤差”がすごく楽しかったです」。

また、警察学校を視察して、「本当に1つのかけらしか見たり感じたりしてないと思うんですけど」と前置きしつつ、「1つのクラスが人生を通じての存在になっているんだろうなと思いました。その関係性を生み出すのは、単純な学び舎とは違うものを備えてくれるからじゃないかな」と想像した。

今回の役を演じて、警察官へのイメージが変化したといい、「風間本人が、ある生徒に対して伝えるメッセージがあるんですけど、今まで自分が人生の中で警察官の方に持ってたイメージや形容詞とはちょっと違う表現をしていたので、今回の作品をやらせてもらって、実際の警察官の方たちを見る目が変わりました」とのこと。

具体的に「今までは、現場に立たれている方を見て、言い方最低だと思うんですけど、どこか標識チックというか『ルールの人なんでしょ』という感覚であったんです」というが、「間違いなく絶対的なあの空間で時間を過ごして、卒業した人しか現場に立っていないので、とても特別な存在なんだなというは感じましたね」という。自身が警察学校に生徒として入るとしたら、「相当腹くくって入りますね」と話した。

そして、風間という人物については「“職務に就く前の人間”を強くするために現場を退いた人だと思うので、どこか非常にストレスに満たされてる人でもあると思うし、だから彼の幸せってなんなんだろうなっていうのは、撮影中もそうでしたし、原作を読んだときも思っていました。特に現場で撮影するときは、彼にとっての幸せを探してましたね」と印象をコメント。

そんな風間の一番惹かれるところを聞くと、少し考えながら、「人としてすごく魅力を感じる部分、あと共感できる部分、自分もこうできたらいいなと思えるのは、やはり絶対逃げないですよね、この人は」と、自身が演じたキャラクターに対して感心していた。

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