2019年12月8日、仙台を皮切りに最後の来日公演が始まるKISS。『最後最後詐欺』の来日ミュージシャンとは違うのだ。KISSの場合、あまりに過酷な労働環境である。走り回ってワイヤーで吊り下げられてのポール・スタンレイ67歳。血を吐いて、火を吹いてのジーン・シモンズ70歳。いずれも20kgに及ぶコスチュームを着けてのことだ。

僕なら2時間ステージに立ってるだけだってできない。足が痛くなる、腰が痛くなる、背中が痛くなる。

本当にショーマンシップの鑑として、エンターテイナーとして立派な人たちだと思う、尊敬に値する。その人たちが最後だと言っているのだ。『最後最後詐欺』のヤカラ(一番の代表曲を座って弾いてしかもソロは聞いたこともない若手のギタリストに弾かせるミュージシャン)とは違うのだ。

KISSといえばこの曲

1977年4月1日の初来日武道館を僕は見ている。次の来日の1978年までは熱心だったが、その数年後の「アンマスクド」で完全に興味を失い、メンバーの脱退などもあり、すっかりライブには足を運ばなくなっていった。しかし、僕の知らない間にメイクも戻し、そこから20年以上の時を経て盛大で楽しいライブを繰り広げていたことに気がついた。

2013年の来日の時、僕はKISSを舐めていて「仕事、早めに切り上げて武道館の前に行って、ダフ屋から買おう」と甘い考えで2013年10月24日武道館の前に立った。武道館の周りはWOWWOWのロゴの入ったゴッツい中継車が何台も停まっていた。当然、ダフ屋もいたので僕は「チケット、買うよ」と声をかけた。ダフ屋のおじさんは困った顔で「コッチが買いたいよ、朝から1枚も出てないよ」という答えだった。僕はしかたなく酒を飲みに行くしかなかった。後から知ったが、この日はライブをWOWWOWで生中継したという。それさえも僕は見逃した。

2015年の来日は満を持してS席を手に入れ37年ぶりに目の前でKISSを体感した。こちらも年を取ったが、KISSの方がはるかに年齢は上だ。よく走るので感心した。感動すらした。音は以前の方が大きかったんじゃないかな? でもステージのスパイダーと呼ばれる舞台機材には圧倒された。

コレがKISSのステージセット「ザ・スパイダー」だ。60人のツアー・スタッフと、100人の現地スタッフで組み立てられるほどの大型装置

さあ、泣いても笑ってもラスト。僕も11日が楽しみだ。 東京ドームと京セラドーム大阪はまだチケットが取れそうだ。(2019/12/3 11:00現在)

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■ライブ情報
THE FINAL TOUR EVER
KISS THE END OF THE ROAD WORLD TOUR

12月8日(日)【仙台】ゼビオアリーナ仙台 OPEN 17:00/START 18:00【SOLD OUT】
12月11日(水)【東京】東京ドーム OPEN 17:30/START 19:00
12月14日(土)【盛岡】盛岡タカヤアリーナ(盛岡市総合アリーナ) OPEN 16:30/START 17:30【SOLD OUT】
12月17日(火)【大阪】京セラドーム大阪 OPEN 17:30/START 19:00
12月19日(木)【名古屋】ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館) OPEN 18:00/START 19:00【SOLD OUT】