今年3月、調乳不要・常温保存可能の液体ミルクが日本で発売されたことは記憶に新しい。災害時や外出時、ママ・パパの負担を軽くしてくれるアイテムとして人気だが、紙パックや缶タイプになっているため、一度哺乳瓶に移し替えて与える必要があった。
しかしこのほど、紙パックタイプの液体ミルクに使える「紙パック用乳首」や、缶タイプの液体ミルクに「哺乳瓶用乳首が取り付けられるアタッチメント」が続々と登場。いずれも哺乳瓶は不要となり、乳首さえ持ち運べば授乳ができる便利な商品だ。
紙パックにそのまま取り付けられる乳首
11月29日から、全国のアカチャンホンポとネット通販「オムニ7」で先行販売が始まったのは、「チュチュ 紙パック用乳首」(税別500円前後)。液体ミルクや麦茶など、紙パック飲料のストロー口に差し込むことで、赤ちゃんにそのまま水分を与えることができる商品だ。
紙パックのストロー口から離れている側の耳を起こし、ノズルカバーを外した後、紙パックの起こした耳をアダプターへ挿入。ノズルを奥まで差し込めば、装着完了となる。
同社のシリコーンゴム製乳首は赤ちゃんの吸う力に応じてミルクを飲む量がコントロールできるようになっているため、全月齢で使用可能とのことで、成長に応じて買い換える必要がないのもうれしい。
煮沸、薬液、電子レンジなど、さまざまな消毒方法に対応しているほか、フード、ノズルカバーも付いているのでお出掛けにも便利そう。粉ミルクであれば、哺乳瓶と熱湯、熱さましの水など、持ち物が増えざるを得ないが、乳首と液体ミルクだけと荷物の負担も減るだろう。
同商品の発売に合わせて開かれた体験会では、実際に商品を使用してみたママたちの声も聞くことができた。
「先日も都内で台風被害があり怖い思いをしたので、災害時の備蓄として家には液体ミルクを置いています。これからはお出掛けがどんどん増えると思うので、災害時以外にも活用してみたいです。夫に預けて出掛ける際にも良いですね」と話していたのは、6カ月の男の子を子育て中の女性。
外出時や災害時だけでなく、ママ以外が赤ちゃんのお世話をするとき、深夜の授乳やママが体調不良のときなどにも活躍してくれそうだ。
同商品を開発したジェクスの赤木里紗さん(開発マーケティング本部 開発部)によれば、液体ミルクに限らず、麦茶などの紙パック飲料に使える乳首は以前からニーズを感じていたとのこと。使い捨てタイプの商品など、今後も消費者のニーズがあれば、開発を検討していきたいとしている。
「日頃も活用して使用方法に慣れていただければ、災害時などにも慌てず対応できると思います」(赤木さん)。
缶タイプの液体ミルクに乳首が取り付けられる装置も
また同日明治からは、缶タイプの乳児用液体ミルクに、哺乳瓶用の乳首を取り付けられる専用アタッチメントを発売予定との発表があった。
「明治ほほえみ らくらくミルク 6缶セット」(専用アタッチメント付き)に付けて、2020年春より販売される予定※その他の提供方法も検討中とのこと。既に持っている哺乳瓶用乳首(ピジョン「母乳実感」専用の設計)に取り付けて、缶上部にセットすることで、哺乳瓶にミルクを移し替えることなく、そのままミルクを飲ませてあげることができるという。
日頃使い慣れている乳首を使えれば、液体ミルクに装着して使用しても、赤ちゃん側の混乱が少なく済みそう。また、哺乳瓶用と液体ミルク用で同じ乳首を使用でき、経済的とも言えるだろう。
ママ・パパの負担を軽くしようと、日々進化を続けている育児グッズ。今回の商品は発売時期もその形状もそれぞれに違いがあるが、自分にとって使いやすいと感じるものをぜひ選んでみてほしい。