日本の歴代興行収入第3位となる約255億円を叩き出し、主題歌「レット・イット・ゴー」でも社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』(13)。5年ぶりの新作『アナと雪の女王2』(公開中)は、物語や音楽、映像と、すべてにおいて前作超えを目指した、気合十分の快作となった。本作で来日したクリス・バック監督を直撃。

深い絆で結ばれ、2人でアレンデール王国を治めていたエルサとアナの姉妹。ところが、エルサは自分にしか聞こえない不思議な声を聞き、その声によって未知なる世界へと導かれていく。今回、エルサが持つ魔法の力の秘密が解き明かされることでも話題となっている続編。日本語吹替版では、エルサ役の松たか子や、アナ役の神田沙也加らがボイスキャストを続投した。

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    『アナと雪の女王2』のクリス・バック監督

――今回、ドラマはもちろん、アクションシーンもよりドラマチックに、スケールアップしていました。エルサが魔法を使うシーンも、いくつかバリエーションがありましたが、こだわった部分について聞かせてください。

エルサが水とつながっているということを意識して描いたよ。つまり、エルサは空中にある水分を使って氷を作ることができるんだ。

――特に、氷がダイヤモンド型になるというシーンが非常に美しくて神秘的でした。あのシーンは何を象徴しているのでしょうか?

氷がダイヤモンド型になるのは、自然の精霊たちのシンボルを表しているから。オラフが途中で「水には記憶がある」という台詞を話すが、あのダイヤモンド型の彫刻が登場するのは、エルサが過去の記憶とつながった証拠なんだ。本作には、風、火、水、土の精霊が登場するが、エルサが「イントゥ・ジ・アンノウン」を歌うシーンで、彼らとつながることになる。このダイヤモンドは、そこから先もいろんな場面で出てくるよ。ただ、それらのすべては、エルサから端を発しているものとなる。

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――今回、キャラクターたちの表情が前作よりもさらに繊細に表現されていたのが印象的でした。

前作の制作時から6年経っていて、アーティストたちは、当然、ディズニーのアニメーション作品全部に関わっているから、その間、彼らの技術がどんどん向上していったんだ。顔の表情を作るスキルもかなり上がっているから、細やかな感情のバリエーションを作ることができたよ。とにかく全体的なエフェクトがかなり進歩している。

――トロールの「未来が見えない時は、今できることをする」という言葉が深いです。このフレーズが、何度も繰り返されるのがとても印象深くて、まるで交響曲のような作りだなと思いました。

確かに最初はトロールが言った言葉だが、次に森の中でマティアス中尉と話している時、アナが彼にその言葉を伝えるんだ。そして、最後に歌でそれが表現される。アナは本来、楽観主義的なキャラクターだが、今回は悲しみのどん底に突き落とされてしまう。でも、そこでも彼女の強さが光るわけだ。真の愛は、自分のためではなく、周りの人に与えるものだと、アナはわかっているし、それを表現していくことになる。

――今回、クリストフが歌うシーンが実に愉快でした。なんとスヴェンまで一緒に歌い出したので、驚きました。

クリストフは、前作で短い曲しか歌わなかったので、今回はフルで歌ってもらおうと思ったよ。彼は自分の感情を表現するのが苦手なキャラクターでもあるから、今回はファンタジーの中で思い切り歌い上げてもらったよ。さらにスヴェンに、彼の気持ちを代弁してもらったらどうだろうと思い、楽しみながら作ったシーンだ。80年代のロックバラード調になっているからお楽しみに!

――本作はドラマチックなドラマとド迫力なアクション、パワフルかつエモーショナルな楽曲と、三拍子揃った最高の続編となりました。気が早いですが、パート3の制作は予定されているのでしょうか?

どうだろう? まだ、わからないよ。実は2作目を作ろうと思ったのも、1作目を作ってから1年後くらいだったんだ。だから、今回も公開されてから1年後に再度、僕に聞いてね(笑)。

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■プロフィール
クリス・バック
1958年、米カンザス州生まれの映画監督。アニメーターとして『きつねと猟犬』(81)、『ロジャー・ラビット』(88)などに参加後、『リトル・マーメイド』(89)でキャラクターデザイン、『ポカホンタス』(95)でスーパーバイジング・アニメーターを務めた。『ターザン』(99・共同監督)で長編監督デビューを果たす。『サーフズ・アップ』(07)では共同監督を担い、アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネート。『アナと雪の女王』(13)では、アカデミー賞アニメーション賞、ゴールデン・グローブ賞アニメーション賞ほか数々の賞を受賞。短編『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』(15)も監督した。