大井川農業協同組合、大井川鐵道、中日本高速道路、島田市の4者連携事業「賑わい交流拠点整備事業」は27日、新施設「KADODE OOIGAWA」(2020年11月オープン予定)内にて、かつて大井川鐵道で営業運転を行っていた蒸気機関車C11形312号機を復元展示すると発表した。

  • 2007年9月8日、最終運転日のC11形312号機

蒸気機関車C11形312号機は1946(昭和21)年に製造され、旧国鉄時代に長く福島県会津地方で使われたが、1975(昭和50)年1月に廃車。その後、三重県松阪市の「ドライブインあら竹」に展示された。大井川鐵道には1988(昭和63)年3月19日に入線し、同年7月23日から営業運転を開始。川根路にて地球約6周分にあたる22万8,000kmを力強く走り抜け、2007(平成19)年9月8日に最終営業運転日を迎えた。

その後、部品供給用として大井川鐵道の蒸気機関車を影ながら支えていたが、長らく大井川本線の構外側線に留置されていたことから、経年劣化による大規模な腐食が進んでいた。今回の復元展示に向け、かつて走行していた頃の姿を取り戻すべく、錆取りや板金をはじめ、復元不可能なパーツは新造するなどの工事が行われる。

  • 2019年、復元整備中のC11形312号機

  • 「KADODE OOIGAWA」完成予想イメージ

  • 「KADODE OOIGAWA」完成予想イメージ

車両の公開時期は新施設「KADODE OOIGAWA」のオープンに合わせ、2020年11月を予定している。「KADODE OOIGAWA」は「緑茶と農産物の体験型フードパーク」をテーマに、来場者に大井川流域の農産物や観光など地域の魅力を体感してもらえる新拠点をめざすとしている。