第32回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出された映画『喜劇 愛妻物語』(2020年公開)の記者会見が29日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催され、濱田岳、水川あさみ、足立紳監督が出席した。
足立紳監督が自身初の自伝的小説『喜劇 愛妻物語』を原作に、自ら脚本・監督を務め映画化した本作は、売れない脚本家と、その夫を罵倒し続けながら家計を支える恐妻が繰り広げる夫婦賛歌。脚本家・豪太を濱田岳、その妻・チカを水川あさみがコミカルかつ熱く演じている。
妻役の水川から劇中で罵倒され続けた濱田は「役であるというのは理解していても毎日毎日罵倒されるのはなかなかつらいものがある」と言うも、「人間ってすごいなと思うのが、だんだん慣れてくるんですよ。面白くなってくるんですよ。だから自分の自己防衛本能に感心しました」とコメント。
続けて、「すごく迫真に『死ね』とか言ってくるんですけど、今の良い『死ね』だったなと思っている自分がいるんですよ。水川さんのお力でそこまで引き上げてもらったという事実だと思いますし、後半は楽しくてしょうがなかったです」と話し、会場から笑いが起こった。
一方の水川は「現場でヘラヘラする濱田さんを見ていると、自然と罵声を浴びせたくなりました」と振り返り、「毎日罵声を浴びせていると慣れてきて、どれだけ声を大きくしていいのかわからなくてどんどん声が大きくなっていった」と明かした。