"あったかいで笑顔を作る"をモットーに使い捨てカイロなどを販売している桐灰化学は先ごろ、明治国際医療大学の伊藤和憲氏を招き、女性の年代別温活ケアに関するセミナーを開催。新しい視点での冷え性・寒さ対策について提案するとともに、カイロの効果的な使い方を紹介した。

  • 桐灰化学の年代別温活セミナー

  • 明治国際医療大学 鍼灸学部 学部長 伊藤和憲氏

年代によって異なる冷えの原因

長く続く暑さの後、度重なる大型の台風が訪れた2019年も、ようやく日ごとに秋の気配が強まってきた。朝晩にはすでに上着を着て外出している方も多いだろう。体が冷えると、さまざまな体調不良を起こしやすくなる。代表的な例が、頭痛や腰痛、肩こり、鬱や不眠、便秘や頻尿などだ。

重い病気にもかかりやすくなるため、体を適度に温めることは健康の維持につながる。体温は1度上がると免疫力が約30%アップし、内臓脂肪燃焼温度は1度上がると代謝が約13%アップするという。

伊藤氏は、冷えの原因は年代ごとに異なると述べ、女性を例にとって説明する。女性ホルモンと体は連動しており、大まかに20~30代はストレス型の冷え、40~50代は内蔵型の冷え、60代以降は筋量型の冷えが増えるそうだ。

  • 女性の年代と女性ホルモンの分泌量による冷え方の違い 提供:桐灰化学

体温を上げる方法には、体の内部から温める方法、体の外部から温める方法の2つのアプローチがある。

このうち、内部から温める方法として挙げられたのがリラクゼーションや運動、食事。アロマセラピーやヨガをしたり、温熱刺激がある根菜類などを食べたりすることが挙げられる。

外部から温める方法としては、入浴、カイロ、お灸などが挙げられた。お風呂にじっくり入ったり、カイロで冷えている個所を温めたり、お灸で内臓や深部の温度を上昇させる方法などがある。

  • 身体を外から温める方法と中から温める方法 提供:桐灰化学

そして、カイロを使って温めるべき部位は主に手足と背中、おなかの3か所だという。手足は脳活性、背中とおなかは内臓活性につながり、また各筋肉を温めた場合は筋活性の効果が期待できるそうだ。

20~30代女性の冷え対策とは?

セミナー続いて行われたのが、伊藤氏、桐灰化学の開発部長である濱野氏、各年代の女性を交えた温活トークセッション。

  • 女性の年代別に行われた温活トークセッション

  • 桐灰化学 開発部 部長 濱野邦彦氏

20代の女性は、「指先から冷えを感じる」「寝るときはつま先が冷える(寝るときは靴下が欠かせない)」と冷えに対する悩みを相談。

伊藤氏はこれを、ストレスで緊張した状態が続いており、血液が脳に集中し末端に行き届いていない状態と説明する。手足が冷たいと物事に集中できず、脳の効率も落ちてしまうという。足の冷えが長く続くと子宮など内臓の冷えにもつながるため、自覚症状が出たら早めに対策してほしいと語った。

  • ストレス型の冷えを調べる簡単な方法をレクチャー 提供:桐灰化学

改善方法は体をオフにすること。例えばリラクゼーションとしてぬるめのお風呂に長く入ったり、アロマを炊いてリラックスしたり、身体の末端を直接温めたりすることで、脳血流が減る分だけリラックスできるそうだ。

また、ポケット付きカイロ「ポケぽか」という、使い捨てカイロにポケットを付けたもので、指先を効果的に温めることができる商品も紹介された。スマホを使って手の甲が冷たく感じられたときや、傘を持ったりしているときもすぐに手を温められるそうだ。

そして足が冷えるという方には、「足の冷えない不思議なくつ下『つま先インナーソックス』」を推奨。タイツの中に履くことができ、パンプスでも履けるそうで、つま先を違和感なく温められるという。なお、「足の冷えない不思議な足もとカイロ」シリーズを併用するとより効果的とのこと。

40~50代になると女性の冷えはどう変わる?

40代の女性は、おなか周りや腰回りが冷えるようになり、膝かけが欠かせないと話す。手足が冷えている一方で、頭がほてってぼーっとするという症状があるという。伊藤氏はこれを、冷えによって深部が冷えている状態と説明。加齢とともに内臓機能が落ちてきており、身体の中心部に血流が集まっているのだと言う。

  • 内蔵型の冷えを調べるには舌の色を見るという 写真提供:明治国際医療大学 和辻直教授

改善方法は、おなか周りや背中回りを直接温めること。年齢が上がると手足を温めるだけでは血液がうまく分配されなくなるので、内臓を温めるようにすると循環が良くなるのだという。また脳の効率も上がるため、ストレスなどの軽減にも効果があるそうだ。

その上で、あずきを利用した温感ピロー「あずきのチカラ 」シリーズの「お腹用」や「どこでもベルト」を紹介。

「お腹用」は高温面と低温面を使い分けることができ、芯まで温めたいときに高温面を使うと良く、「どこでもベルト」は家事をしながらでも使える点が便利だそう。また、よもぎ、生姜、肉桂の香織でリラックスできる「命の母カイロ」でリラックスすることも有効だと話す。

温めても温まらなくなる60代以降の女性

60代の女性は、温めても温まらないのでストールなどが手放せないとつらい冷えについて語った。伊藤氏はこれを、筋肉の量が減ってきているため代謝が落ち、熱を持続する機能が低下している状態と説明。加齢とともに熱を作りにくい身体になってしまっていることが原因だという。

  • 筋量型の冷えは片足で立っていられる時間で調べられる 提供:桐灰化学

一番良い改善方法は、運動すること。筋肉や肺活量を鍛えることで代謝を保ち、熱を作りやすいからだと作ることだと伊藤氏は話し、山登りやインターバル歩行といった無理のない範囲で運動を行うことが冷えに負けない体を作る秘訣と述べる。

また、使い捨てカイロ「どデカッ! はる」や、一般医療機器扱いの「肩ほっとん」「腰ほっとん」など、広い範囲を温めることで全身を温められる製品がおススメとのことだ。とくに血管部分を温めると効果的だという。

  • 年代別冷え対策のまとめ 提供:桐灰化学