渋谷駅直結・直上の新ランドマークとなる「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」の先行取材会がこのほど開催された。会場となった3階イベントスペースも含め、施設の一部が報道関係者向けに公開される初の機会となった。
今回の先行取材会では、食品・服飾雑貨などさまざまな分野の店舗がイベントスペースに出展した。食品系では、1階「東急フードショーエッジ」内に洋菓子の店舗が多数出店。そんな中、オンラインのチョコレートセレクトショップ「c7h8n402(チョコガカリ)」が初めて実店舗を構えるという。ポルトガルの名産品の名を冠した「ポートワインガナッシュ」、大きなサイズの「トルタサヴォイア」、グレープフルーツが香る「ポメロのコンフィチュール」など、厳選されたチョコレートが店頭に並ぶ。
1階「ecute EDITION」内には、奈良県の吉野山麓で100年以上続く「堀内果実園」が都内初出店。ドライフルーツを使用したお菓子を多数そろえる。注目商品は「くだものナッツおこし」「あんぽ柿ショコラ」の2種類。普通のフルーツとは違う食感だが、素材の味が凝縮されている印象だった。
一部店舗において試食・試飲も行われた。手ごねパイ専門店「coneri」では2種類のパイをディップソースとともに試食した。米粉とこねり粉のパイはそのままでも塩味が効いていて、朝食やお酒のおつまみにも合いそう。メープル風味のパイはほんのり甘い香りとパリッとした食感が特徴だが、ディップとの組み合わせ次第でさらに上品な甘さになる。「堀内果実園」と同じく1階「ecute EDITION」内に出店し、テイクアウトも予定しているとのこと。
「ocha room ashita ITOEN」では、「宝尽の白」という銘柄の抹茶をその場で点ててもらい、試飲した。抹茶本来の苦みの中に旨味も感じられる1杯だった。60度程度の熱すぎないお湯でお茶を点てることで、旨味が引き立つという。「ocha room ashita ITOEN」は10階にオープン予定となっている
埼玉県の飯能から出店し、12階にオープン予定の「CARVAAN TOKYO(カールヴァーン・トウキョウ)」では、「スペルト・ヴァイツェン」を試飲した。フルーティーな味にバナナのような香りもしつつ、ビール特有の苦みが少ないので、ビールが苦手な人にも飲みやすいだろう。
続いて服飾雑貨。4階にオープン予定の「ANTEPRIMA」では、渋谷にちなみ、ハチ公と同じ秋田犬をモチーフにした手編みのワイヤーバッグを販売予定。背中にファスナーが付いていて、小物を出し入れできる。ハンドバッグにも秋田犬があしらわれ、女性の遊び心をくすぐりそうだ。
5階「+Q GOODS(プラスク グッズ)」内には鞄・インテリア・ウェアの「Marimekko」、インポートのスニーカーを扱う「ZYX(ジックス)」、「大人可愛い」がコンセプトの「a-jolie(アジョリー)」などが出店。うち「ZYX」は国内初、「a-jolie」は渋谷エリア初出店となり、いずれも限定品や先行販売を予定している。
創業300年の老舗「中川政七商店」では、渋谷らしさを伝統工芸で再現した生活雑貨を多数販売。中でも「かや織ふきん」は吸水性・速乾性に優れ、使い込むごとにふわりとした触り心地になっていくという。その他、渋谷犬の張子人形やおみくじ、スクランブル交差点をイメージした麻100%ハンカチ、しめつけない靴下も発売予定。創業の地である奈良の街並みをイメージした店舗を11階に構え、ここが旗艦店となる。
8階にオープンする「THE SHOP」は、世界中の定番品を集めるユニークなコンセプト。渋谷スクランブルスクエアでの出店に合わせ、デイパックの王道ブランド「EASTPAK」とのコラボによるデイパックや、東洋フレームとコラボしたロードバイクなどを販売予定。各地で信頼される定番品をそろえ、オープンを待っている。
その他、靴下専門店「Tabio」や、オーガニック化粧品を扱う「ITRIM(イトリン)」など、多種多様な店舗が渋谷スクランブルスクエアに出店する。総じて国内・都内・渋谷エリア初出店の店舗が多く、渋谷の新たなシンボルにふさわしいショッピング施設になることが改めてうかがえる。
最後に、45・46階にオープンする「SHIBUYA SKY SOUVENIR SHOP(渋谷スカイスーベニアショップ)」を紹介。46階をメインにしつつ、45階では人気商品をピックアップして展示することを検討中とのこと。オリジナルのスノードームや、「中川政七商店」とのコラボによるふきん・手ぬぐいを用意する。
なお、今回の展示商品とは別に、JR東日本・東京メトロ・東急の鉄道3事業者とのコラボグッズも展開予定とのこと。店舗の運営を行う東急レクエ―ションサービス・店舗担当の森本千晶氏は今後の抱負として、「日本国内に限らず海外の方にもたくさん来ていただき、渋谷の街や東京、日本全国を展望し、その中で感じたことを当店の商品を通してお土産として持ち帰っていただきたいと考えています」と語った。
「渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)」および展望施設「SHIBUYA SKY」は11月1日オープン予定。ショップ&レストランや「SHIBUYA SKY」など、施設全体を通して渋谷の新たなシンボルになることに期待したい。