10月4日公開の映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』の完成披露試写会が10日、都内で行われ、松重豊、北川景子、濱田岳、山中崇、伊東四朗、細川徹監督が出席した。
作家・ヒキタクニオが自らの体験を基に書き上げたエッセイ『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(光文社文庫刊)を原作に、一般的に馴染みの薄い"男の妊活"を真正面から描きながらもユーモアあふれる語り口で展開される本作。49歳の作家・ヒキタクニオを松重豊が、一回り以上年が離れた妻・サチを北川景子が熱演している。
長いキャリアの中で、本作が映画初主演となった松重。「この歳で初主演と言われることは恥ずかしかったんですが、意識はあまりしませんでした。主演でも助演でも役を演じることに変わりがないので」としつつ、「男の妊活で色んなことを乗り越えなくてはいけませんでした。(担当医役の)濱田くんが『ダメ金玉』と連呼するんですが、そういう言葉も知らず驚きの連続で、何とかここまでたどり着きました」と苦労を語った。
クニオの妻・サチを演じた北川は「松重さんが年齢差を気にされていると聞いていましたが、私は全然気にしなくて、何度もお仕事をさせてもらっていたし松重さんだったら大丈夫だと思っていました。初日からすんなり夫婦になれたと思います」と松重に全幅の信頼を寄せていたという。それを聞いた松重は「(かつての共演作品で)同僚関係だったりしましたから、部下にしか思っていなかった女性が妻で本当に大丈夫かと(笑)。二周り歳が違って、それをどう乗り越えていこうかと思ったら初日に『そんなに歳の差ありましたっけ?』と言われ、その言葉に救われて今日までたどり着けました」と北川に感謝していた。
松重と北川は、撮影の合間も役同様に会話をしながらコミュニケーションを取っていたという。松重は「今回の待ち時間は北川さんと幸せな時間があると思ったところに、まさかの旦那さん(DAIGO)が慰問でいらして、微妙な三角関係でした。素敵なご主人でしたが、その時は炎がメラメラと燃え上がりました(笑)」と笑いを誘うと、北川は「その節は本当に申し訳ありませんでした(笑)」と苦笑い。
また、松重が演じたヒキタクニオという男性について北川は「映画を見るとサチがしっかりしていて、年上の旦那をうまく手綱を引いているように見えますが、クニオさんはいつも明るく楽しくドンといてくれるのが女性として安心だし、自分もゆったり構えられると思うんです。暗い雰囲気を作らないところがクニオさんの良いところですね」と女性目線としての感想を述べ、「松重さん自身も現場ではニュートラル。大変なシーンでもありふれた日常のシーンでもドンと構えてスタッフさんにも声を掛けていたりして、ずっと変わらない安定しているところが男性としても夫としても素敵だなと思いました」と絶賛して松重を喜ばせていた。映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』は、10月4日より全国公開。