2019年9月3日は「藤井ファン」にとっては忘れられない一日となりました。いきなりで恐縮ですが、みなさまは「藤井システム」という戦法をご存知でしょうか。将棋をあまり知らない方や最近将棋を観戦するようになった方は、もしかしたら藤井聡太七段考案の作戦と思われるかもしれません。もちろん、このような書き出しをするということは聡太七段ではありません。もう一人の天才、藤井猛九段の「藤井」なのです。

藤井猛九段と藤井聡太七段が同日対局で白星

  • 藤井猛九段(左)と藤井聡太七段

    藤井猛九段(左)と藤井聡太七段

藤井猛九段は1970年9月29日生まれの48歳。四間飛車の大家として知られ、「藤井システム」も四間飛車の戦法です。

通常将棋の駒組みは飛車を軸とした攻撃陣と、玉を金銀で守る(囲うと言います)守備陣に分けて構築します。四間飛車に代表される振り飛車は、玉を美濃囲いや穴熊囲いに囲うのがセオリーで当たり前と考えられてきました。それに風穴を開けたのが猛九段。玉を囲うどころか、初期配置から不動のまま相手陣を急戦で粉砕する「藤井システム」をひっさげ、ビッグタイトルである竜王を3連覇しました。

冒頭で忘れられない一日となったと書いたのは、猛九段と聡太七段が同日に対局を行い、ともに勝利を収めたからです。聡太七段は順位戦C級1組で高橋道雄九段相手に矢倉左美濃戦法で速攻を仕掛け、相手に囲う隙を与えずに完勝。猛九段は叡王戦段位別予選九段戦で羽生善治九段を相手に前述の「藤井システム」を炸裂させて勝利を収めました。

順位戦は10時開始、叡王戦は19時開始だったので、2対局が被っていた時間は1時間弱でした。その時間は両対局の中継を行ったり来たりして忙しくしていたファンも多かったのではないかと思います。

次にファンが期待するのは「藤井対決」。特に藤井システムが発動すれば大盛り上がりに違いありません。藤井ファンは今か今かとその日を待ちわびています。