一年中食べることができ、手に入れやすいもずく。もずくは、低カロリーでダイエットしたい人にとって、お助け食材です。また、カロリーが低いだけでなく、食物繊維やビタミン類、ミネラルなどの栄養素も豊富に含まれています。

ダイエットの味方! もずくは低カロリー

もずくは、100g食べても5カロリー程度のエネルギー量です。そのため、ダイエットするためにカロリーを気にしている人にとって、カロリーの心配をせずに食べることができます。海藻類でわかめやのりなどと同じ仲間になります。もずく酢としてよく販売されており、料理しなくてもそのまま食べられますから、おかずの一品としてはもちろん、お腹が空いたときの間食にも取り入れやすい食材です。

水溶性食物繊維が豊富

もずくは、食物繊維が豊富な食材です。食物繊維は人の消化酵素で消化されないため、小腸を通過して、大腸にまで達することができます。そのため、便の体積を増やす材料となり、大腸の中の環境を改善する腸内細菌にも利用され、腸内環境を整える働きがあります。便通を整える、便秘の予防などの整腸効果や血糖値上昇を抑える、血液中のコレステロールの濃度を低下するなど、さまざまな良い効果が期待できる成分です。

特に、もずくなどの海藻類には、特有のぬめり成分フコダインがあり、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。もずくを食べると便通が改善するという報告もあり、腸の状態を正常に保つために役立ちます。日本人のほとんどは、食物繊維が不足しているといわれています。もずくなどの海藻類を食事に取り入れることで、必要な食物繊維の摂取量に近づくことができます。

女性にうれしい貧血予防

もずくには、ミネラルが豊富に含まれており、生のもずく100gには、鉄分が0.2mg含まれています。食物繊維が約2g摂れる目安量である1日100gを食べ続けると、女性の血液中の鉄分含有量の値が改善したとの報告もあり、女性に多い鉄欠乏性貧血の改善に役立つと期待されています。また、海藻類に含まれるヨウ素は、甲状腺ホルモンの成分として、発育を促したり、糖質、脂質、たんぱく質の代謝をよくしたりするなど、基礎代謝を高めて、発育を促進する働きがあります。ヨウ素は、海産物に多く含まれており、欠乏または過剰摂取によって甲状腺の疾患を引き起こすことがあります。もずくは、海藻類の中でもヨウ素の含有量が低めであるのも食べやすい特徴です。

温かくしても、冷たくてもおいしい

日本のもずくは、ほとんどが沖縄で摂れます。そのほか、日本海で摂れる天然もののもずくもあり、それぞれに特徴があります。保存が約1年可能になる、乾燥もずくの製品もあります。乾燥もずくは、水やお湯に1~2分浸すと、20~35倍に増えて、水気を切ることで、ほぼ同じ食感に戻すことができますので、汁物に加えてすぐに食べられる便利な加工食品です。手軽でおいしいもずくを使った、スープをご紹介しましょう。

時短! もずくスープ
<材料>2人分
もずく(味なし)     180g
だし汁         2カップ
三つ葉         1/2束
薄口しょうゆ      大さじ2
みりん         大さじ1
塩           少々

<作り方>
1:もずくはざるにあげ、よく流水で洗い、水気をきっておく。三つ葉は、根元を切り落とし、ざく切りにする。
2:鍋にだし汁、薄口しょうゆ、みりんを入れて火にかけ、煮立ったらもずくを入れ、塩で味をととのえる。
3:三つ葉を加えてひと混ぜし、火を止めてお碗に入れたらできあがり。

<ポイント>
今回のもずくは、味なしタイプを使用しましたが、三杯酢の味付きもずくでも作ることができます。味付きもずくを使用する場合、水で洗わず、汁気をざるで切る程度で使用しましょう。醤油の量も半分の大さじ1で調整してみてください。もずくは、和え物などの副菜一品に使いやすい食材です。献立に取り入れて、食物繊維を摂り、健康で、痩せやすい体作りにつなげていきましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など