ペットコーヒーの「クラフトボス」を飲みながらデスクワークに励んでいるという人、休憩中は缶コーヒーのBOSSで一服しているという人、仕事のお供にBOSSを愛飲しているビジネスマンはきっと多いことだろう。8月27日、サントリー食品インターナショナルは「サントリーコーヒー BOSS」の2019年秋 戦略発表会を実施。2019年上期のブランドレビューに加え、下期の販売戦略や新商品の発表も行われたのでリポートをお届けしたい。
2019年も「BOSS」がコーヒー市場を牽引
戦略発表会では、ジャパン事業本部ブランド開発事業部長の常務執行役員・柳生慎一郎氏が登壇し、2019年上期のブランドレビューに加え、下期の販売戦略を発表した。
ブランド販売実績は、2019年1~7月の対前年比が106%。飲料市場全体が95%ということを踏まえると、いかにBOSSが好調かわかる。売れ行き好調の理由としては、ブランドビジョンである"あらゆる働く人の相棒へ"はそのままに、「一服」(ショート缶)、「ちびだら」(ペットコーヒー「クラフトボス」)、「イエナカ」(「ラテベース」など)という3つのバリュー展開が功を奏していること。
まず、「一服」バリューにあたるショート缶の販売実績は、缶コーヒー市場が2019年1~7月の対前年比94%のところ、BOSSショート缶計は101%。「ちびだら」バリューのペットコーヒー「クラフトボス」は、シリーズ合計で126%。また「イエナカ」バリューの牛乳と割って楽しむラテベースなどの自宅向け商品は121%。いずれも大きく数字を伸ばしており、27年連続成長達成もほぼ確実と発表された。
2019年下期に注力するのは「一服」バリューの強化
これを踏まえた2019年下期の注力活動は、「一服」バリューこと「ショート缶」の強化と発表された。近年はペットコーヒーの人気が高まっているとあって、少し影が薄く感じてしまいがちな「ショート缶」。しかし、いまだにコーヒー市場においてショート缶が約60%を占めているのだという。同社はヘビーユーザーが多数存在するショート缶市場の重要性を再認識するとともに、直近4カ月でショート缶市場にユーザーが復調傾向にあることにもいち早く注目し、下期では改めて注力活動を行うことが発表された。
なぜ今、ショート缶市場が復調傾向にあるのか。「ペットコーヒーはデスクでちびだら飲めるのはいいが、逆に仕事の切れ目がなくなってしまって窮屈」という声も少なからずあるそうで、その点で仕事場を離れて一服できる缶コーヒーの需要が高まりつつあるという見方もできるそう。同社はここに着目し、"サボるって、一人でとれる小さな休み"をブランドコンセプトに、一服価値の再規定を行う。短い一服をした方が、仕事もはかどる。そんな時は缶コーヒーがおすすめ、というわけだ。
新発売されるのは、若者ニーズに応える「ショート缶」
そういった需要を受け、2019年下期に向けて新発売されるショート缶の商品開発を担当したのが、続いて登壇したジャパン事業本部ブランド開発事業部・福永すみれ氏。
開発にあたり、ショート缶の年代構成を見てみると、若年層の構成が2011~2018年で低下しており、次世代ユーザーの獲得が課題であることが感じられたそう。そこで、前述したちびだらの反動からくる"休憩迷子"のユーザーに光明を見出し、これまでの「おじさんくさい」「大量生産の工業製品」というイメージを払拭し、若者ニーズに応える「親しみやすさ」「こだわりが感じられる」を意識した商品開発を行った。それが"カフェに立ち寄って飲む1杯のような、心休まるひと時を提案する、手間ひまかけたこだわりコーヒー"をテーマにした新しい缶コーヒー「カフェ・ド・ボス ふんわりカプチーノ」「カフェ・ド・ボス ほろあまエスプレッソ」の2商品だという。
いずれも9月3日発売とのことだが、ひと足先に試飲させてもらった。まず、これまでの同ブランドの缶コーヒーに比較すると、パッケージの印象が違う。淡い色合い、柔らかなデザインなど若者でも手に取りやすい印象になっている。また肝心の味はというと、独自の焙煎などこだわりが詰まった商品とあって、どちらの缶コーヒーもまるでカフェでオーダーした一杯のよう。
「ふんわりカプチーノ」は音がしなくなるまでしっかり振って泡立てて飲むという点も面白いが、軽い口当たりながらコーヒーの旨味が口いっぱいに広がる味わいも秀逸。対する「ほろあまエスプレッソ」はコクのある苦味が感じられる一杯で、すっきりとした味わいながらもコーヒーならではの飲みごたえが堪能できる。
ホッと一息つきたいときに欠かせないコーヒー。ここ最近、すっかりペットコーヒー派になっていたビジネスマンも、新しい缶コーヒーを飲むことで自身のワークスタイルを見直してみるのもいいかもしれない。