「Time is Money」という言葉があるように、時間とお金には密接な関係があります。実際、長年貯まる人・貯まらない人を取材してきた経験を思い起こしても、時間の使い方が上手な人は、お金の使い方も上手だという印象があります。

一方、時間の管理が苦手な人は、お金を貯めるのも苦手な傾向が……。今回は、貯めている人の時間の使い方について注目していきましょう。

時間とお金は作り出すもの

「時間がない」や「忙しい」が口グセになっている人は、「お金がない」も口グセになっていることが多いようです。その理由は、時間をやりくりするのも、お金をやりくりするのも、「やりくり」という点で共通しているから。

時間のやりくりとは、1日24時間をやりくりして、やるべきことや、やりたいことをする時間を作り出すこと。

一方、お金のやりくりとは、決まった収入をやりくりして、必要な出費や欲しい物を買うお金を確保することです。時間使いとお金使いが上手な人は、「ない」と思わずに、自分で作り出すものだと考えます。

やるべきことを書き出して、優先順位をつける

時間使いが上手な人は、「To Doリスト」を作成している人が多いものです。1日、1週間、1カ月単位で、やるべきことを書き出して、優先順位の高いことから処理していきます。書き出すことで、やるべきことが整理され、またやり忘れることもありません。やり終えたことから、消していけば達成感もあります。

優先順位の高いことから処理していくので、予定の期限内に処理できなかったことがあっても、期限を延ばすなどして調整することも可能です。

やるべきことはルーティン化して時短する

時間使いが上手な人は、段取り上手でもあります。1日の行動の流れを決めて、手順よく片づけていきます。「決まったこと」を「決まった手順」で進めるので、頭で考えなくても、カラダが勝手に動くといった感じでしょうか。動きにムダがないので、短時間でやるべきことが処理できます。

「やらないこと」を決める

やるべきことをリスト化する一方で、「やらないこと」を決めます。たとえば、「平日は掃除機をかけない」「アイロンがけはしない」「家計簿はこまかくつけない」などです。やらずに済むこと、手間をかけなくても大して変わらないことは、「やらない」と決めて省略します。その分の時間が浮くことと、「やろうか、どうしようか」迷う時間がなくなるメリットがあります。

睡眠時間を大切にする

時間のやりくり上手さんは、特別なことがない限り、毎日、ほぼ同じ時刻に就寝します。寝不足で体調がイマイチだと、作業効率が低下することを自覚しているので、睡眠時間はしっかり確保する傾向に。夜、ダラダラとスマホをいじっていることも、なんとなくテレビを観ていることもありません。決まった時間になると、「おやすみなさい」と床につきます。

1つの作業にかかる時間を把握している

家を出る時間まであと10分ある……というとき、「10しかない」と思いますか? それとも「まだ10分ある」と思いますか?

時間使い上手さんは、1つの作業にかかる時間を把握しているので、10分あれば何ができるかがわかります。

たとえば、

・掃除機かけ
・お掃除シートで床を拭く
・洗濯物を干す
・洗濯物を畳む
・トイレ掃除
・風呂掃除
・メイク
・外出時の着替え
・メールチェックや返信

など。かかる時間がわかれば、たとえば10分間にどれとどれを片づけられるかがわかり、時間を有効に使うことができます。

やるべきこと、やりたいことを優先的にやって、やらなくてもいいことはスッパリやめる。

やるべきことは段取りよく、ササッと片づける。その結果、時間にゆとりが生まれ、時間に余裕があると、お金のことをじっくり考えることができるというわけです。「貯まる人」に近づくためにも、まずは時間の使い方をぜひ1度見直してみてはいかがでしょうか。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。