お腹周りが気になるなど体型の変化に気づいたら、原因はたんぱく質不足かもしれません。筋肉の材料となるたんぱく質が不足すると、筋肉量が低下することにより、基礎代謝の低下につながり、太りやすい体になってしまいます。今回は、太りにくい体を作る、たんぱく質が摂れるレシピをご紹介しましょう。

加齢とともに基礎代謝は低下する

年齢が若い時には、運動不足や食べ過ぎであってもそれほど太ることがなかった人でも、年齢を重ねると太りやすいと感じる人も多くなります。これは、加齢とともに基礎代謝が低下していくことが原因と考えられています。

基礎代謝とは、人間の体が行う呼吸や体温を保つ働き、内臓を動かすなど体の生命維持のために必要な活動を行うことで消費されるエネルギーを指しています。1日に消費するエネルギーのうち60~70%を占めます。この基礎代謝量が多い人ほどカロリーを燃やす力が大きくなり、太りにくくなるのです。

基礎代謝を上げるには筋力が大切

筋肉量が増えると基礎代謝量も上がることがわかっています。肉類、魚類、大豆製品、豆類などの食材に多く含まれるたんぱく質は、筋肉の材料となります。適量のたんぱく質を摂ることで、筋肉量を維持し、基礎代謝を上げることで痩せやすい体へとつながります。ダイエットしたいからといって、食事制限を厳しくしてしまうと、筋肉を減らしてしまい、基礎代謝が低下してしまいます。食事量をやみくもに減らすことでやせるつもりが、やせにくい体になっている可能性があります。

たんぱく質を毎食摂って筋肉量を保つ

筋肉量を維持していくためには、1日に摂る総量が大事であるだけでなく、朝、昼、夕と3食で摂ることが大切であるといわれています。私たちの体は、筋肉は分解されて、新たに合成される働きを常に行っています。たんぱく質が不足しているときは、筋肉の再合成ができないため、筋肉量が減ってしまいます。たんぱく質を多く含む食材を、指を除いた手のひらサイズ程度は毎食摂るようにしましょう。

たんぱく質を組み合わせて利用効率を上げよう

人間の体に必要なたんぱく質を効率よく摂るためには、いろいろな食材を組み合わせることが大切です。大豆などの豆類に含まれる植物性たんぱく質は、肉類、魚類、卵類、乳製品などの動物性食品といっしょに取るほうが、利用効率が高くなります。今回は、数種類のたんぱく質を組み合わせて食べられるゴーヤチャンプルーをご紹介しましょう。

高たんぱく! ゴーヤチャンプルー
<材料> 2人分
豆腐     1/2丁
ゴーヤ    1/2本
塩      小さじ1/2
卵      2個
豚もも薄切り 100g
塩      少々
こしょう   少々
ごま油    大さじ1
濃口しょうゆ 小さじ1
みりん    小さじ1
かつお節   5g

<作り方>
1:豆腐は水を切り、一口大に手でちぎる。ゴーヤは縦半分に切り、種とワタを取り除き、薄切りにし、塩少々をふってもみ、5分ほど置いて水洗いし、水気を絞っておく。卵は溶きほぐし、豚肉は食べやすい大きさに切り、塩、こしょうで下味をつけておく。
2:フライパンにごま油を熱し、1の卵を入れて、半熟になったら取り出しておく。
3:同じフライパンで、1の豚肉を炒め、油が出てきたら次にゴーヤを加える。しんなりしたら、豆腐を入れて炒め、2を戻し入れ、しょうゆ、みりんで調味する。かつお節を入れて軽く混ぜたら、器に盛ってできあがり。

<ポイント>
ゴーヤが苦手な人も、ゴーヤを塩もみしてから炒めることで、苦みがやわらぎ食べやすくなります。夏に旬を迎えるゴーヤは、ビタミンCやベータカロテン、カリウム、食物繊維など栄養が豊富に含まれています。豆腐や肉類、卵といろいろなたんぱく質の取れる食材を組み合わせて、たんぱく質を食事に取り入れて、筋肉を維持していきましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など